9クール ページ10
Aside
A「へぇ、そんであんな落ち込んでんだ、杉野」
渚「うん、誰も成功してないからあんな落ち込まなくてもいいと思うんだけど」
今日もいつも通り渚と話す。
なにやら杉野の暗殺が失敗に終わったらしい。
A「まあ、僕も自分の得意な手法を躱されちゃったら残念だけどさ」
横目で、杉野と呼ばれた少年の方を見てみた。
たしかに野球少年という言葉が似合いそうな少年である。
A「なぁ、キャッチボールってどんな感じ？」
そう質問すると、渚は｢昼休みにでもやってみる？｣と提案してくれる。
お言葉に甘えて体験してみることにしよう。
そんな約束をして、渚とキャッチボールをして、教室に戻ってきた。
渚「…手が…いたい｣
A「なんかごめん｣
キャッチする方は下手くそだったけど、投げる方は中々筋が通っていたようで、渚の手と心はボロボロのようである。
そんな会話をして戻ってくると溌剌とした少年の声が僕を呼び止める。
杉「な、なあ春夏冬｣
渚に助けを求めるも、既に違うクラスメイトと話を始めている。
くっ、どうしたものか。
A「僕になんか用？」
とりあえず、当たり障りのない返事を返しておいた。
内心慌てているのだけど、それを隠すにはそう返すしかなかったのだ。
杉「春夏冬って野球とかうまいよな？」
どうやらさっきのキャッチボールを見ていたようである。
A「いや、上手いかどうかは分からないけど……｣
いきなりの質問に戸惑いつつも、そう答えた。
杉｢さっきの玉は中々良かったぜ？
キャッチは下手くそだったけど｣
なんだ褒めると見せかけて貶すんかい。
杉「その、俺の野球の練習手伝ってくれたらなぁって思ったんだけどダメか？」
……理解が追いつかない。
非リアには驚きの一言だ。
というか、なんだ初めてのクラスメイトとの会話が｢練習に付き合ってくれないか｣って。
アニメかよ、なんて思ったけど、現実に引き戻される。
杉野が返答を期待しているようだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月影 | 作成日時：2015年8月6日 19時
