渚のエトランゼ Ⅱ (ページ7)

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深田side

俺にとって、運命だと思えるほど最愛の人

そんな人が今…俺の腕の中で眠るのがどれほど特別なことか

ぎゅっと抱き締めてその存在を確かめるだけで今までのことが走馬灯のように脳内を巡る

『Aちゃん、好き』

「うわっ、冗談でもそんなこと言うのは良くないよ～(笑)」

『冗談じゃなくて！』

「はいはい、ありがとね。嬉しい嬉しい」

最初に出会った時は、告白も上手くはぐらかされてしまった

あの頃はAちゃんが死んでしまうなんて思わなくて、ゆっくりでもわかってもらおう…なんて余裕ぶってた

そしてやっと想いが通じた次の日、彼女は俺の手を離れた

『なんでっ、なんでだよ…っ、』

それを酷く後悔したところでAちゃんは戻ってこなかったし、気持ちを消化出来ないまま…ただ“死んだ”という事実だけが残って…

過去に戻って何度もやり直すことで、Aちゃんとの出会いも、降りかかるピンチも、全てを変えることが出来た

『あー…戻りたくねえよ、』

過去に戻って全てを変えても、未来がどうなってるかなんてわからない

彼女を救ったことで俺と関係性が続いてるのか、はたまた別の男と一緒なのか…

出来ることならずっとこのままが良いけど、それが出来ないのは最初からわかっていた。だからせめて…未来で彼女が幸せでいられたら、それだけで俺は生きていける