渚のアムール ページ23
檜山side
ある日、目が覚めた時の違和感が酷く不快だった
だけど何に違和感を持っているのかわからない
辺りを見渡しても寝ぼけた頭では違和感の正体に気づけなくて…
檜山「あっつ…」
汗が頬を伝っていく。夏は汗でベタベタするから好きじゃない
…いや、それは嘘だ。夏が好きになれないのはあの時からだ
夏になると、竜生があの子を探して、いない現実に苦しめられる。それはきっと俺も同じ
誰にも言わなかったけど、本当は俺もAちゃんが好きだった
幸せでいてくれたらそれで良いと思っていたから言わなかったけど…
檜山「お疲れ様です」
《檜山〜この書類訂正しといて》
檜山「はい。了解しました」
《今日の飲み会どうする？》
檜山「あ〜俺パスで」
《檜山さんこれわかんないです〜！》
檜山「どれ？ちょっと見せて」
時が流れれば、人もそれに順応していくもの
あの日以降俺らの空気は良いとは言えなかったけど、時間と共に関係性は戻っていった
俺も年を重ね、普通に仕事をしている。上司と部下の板挟みだけどそれなりに充実した日々だろう
檜山「ただいま…」
定時に上がり、帰宅路の途中にある弁当屋で自分の分の弁当を買って帰る。ただいまという声かけに答えてくれる人はいない
買ってきた弁当を食べ、お風呂に入り、来ていた連絡を返し…そろそろ寝ようと思った時
檜山「…あれ、こんな砂時計持ってたっけ」
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作者名：優風翔
| 作成日時：2022年10月17日 0時
