渚のエトランゼ Ⅱ (ページ2)

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『良かった、好きになったのがAちゃんで』

「ヘ？」

『…ね、抱きしめていい？』

俯きがちに、私の様子を伺うような目で聞いてくる

それがなんだか可愛くて、微笑みながら両手を広げると、彼が抱きついてきて背中に回った手で力強く包み込む

力のせいか、ちょっと苦しかったからそう伝えようと背中を叩こうとして…やめた

だって、体が震えてるんだもん。

「………なんで未来から過去に来たの？」

『このまま、俺の話聞いてくれる？』

「…わかった、ゆっくりで良いよ」

離れてほしいと訴えかけた手は自然と彼の背中を優しく擦って、聞くべきであろう言葉の続きを待つ

暫くの沈黙のあと、深田くんがゆっくりと口を開いて言葉を紡いでいく

『さっき、Aちゃんが存在しない未来から来たって言ったじゃん』

「うん、言ってたね…」

『その言葉の本当の意味は、』

“Aちゃんが、未来では死んでるってこと…”

「え…」

『っ、ごめん。突然言われたって受け入れられないよね』

まるで鈍器で殴られたかのような、そんな衝撃が走る

どくん、どくん、と大きく跳ねる鼓動に胸が苦しくなって、頭が真っ白になった