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一人になった途端、その場に崩れ落ちる轟。
その眼には涙が浮かんでいた。
爆豪は轟を嫌っている。
少なくとも轟はそう思っている。
轟の思いを知った上で、爆豪がいつものような態度をとっているのなら、そう思ってしまっても仕方がない。
相手が爆豪ではなく、普通の人だとしたら。
「おい。」
突然後ろから声が聞こえた。
轟は急いで涙をぬぐい、後ろを振り返る。
すると、そこには爆豪が立っていた。
轟は目を見開く。
よりにもよって今、会ってしまうとは。
「てめぇ、こんなとこで何してやがる。」
そう言って、近づいてくる爆豪。
轟は慌てて立ち上がる。
後ろにあるチョコやら器具やらを少しでも隠すために。
だが、爆豪を前にそれは無意味に近い。
「お前、チョコでも作ってたんか。」
轟の気など知らず、遠慮なく爆豪が問う。
そして爆豪は轟の顔と絆創膏まみれの手を目にして、チッと舌打ちをし、
「これ、誰のだ。」
と聞いた。
その問いに轟は更に焦る。
ここで爆豪のだ、なんて言えば、きっと嫌われる。
それだけは絶対に避けたい。
黙り込む轟を前に、爆豪は再度舌打ちをした。
そして轟の胸ぐらを掴み、
「誰のだって聞いてんだ答えろ！」
と怒鳴った。
その剣幕に押され、轟は涙目になりながら小さく、
「爆豪の。」
と答えた。
「は？」
爆豪は目を見開いた。
そしてしばらく下を向いたあと、いきなり顔を上げ、
「クソが!!」
と声を上げた。
轟は何が何だかわからず、爆豪を見ていた。
次に爆豪は、轟の作ったチョコを食べ始めた。
「おい、爆豪！」
慌てて止めに入る轟だったが、
「俺のなら黙って食わせろや。」
と言われ、何も言えなくなってしまった。
そして爆豪は、食べ終わると一言。
「甘ぇ。」
「当たり前だろ。」
すると、爆豪は轟を睨み、
「ったく、テメェで言いに来いや。」
と言った。
意味が解らず、轟が首をかしげると、
「泣くほど好きなら、テメェから来いっつってんだよ！」
と怒鳴った。
轟は理解した。
爆豪が轟が思いを伝えに来るのを待っていたことを。
「爆豪。」
「んだよ。」
「俺、爆豪のこと好きだ。」
「知っとるわ。」
轟があふれ出した思いを伝えると、爆豪は満足げに答えた。
「なあ爆豪。来年もチョコ食ってくれるか？」
轟が尋ねる。
「甘ぇの好きじゃねぇが、テメェのなら受け取ってやらなくもない。」
少し照れながら答えた爆豪を見て、轟は幸せそうに微笑んだ。
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冬薙 - おもちさん» 私がうごメモにあげた小説はこちらに全てあげるつもりでいるので、お待ちいただけると幸いです。 (2018年10月12日 22時) (
レス) id: 343c04d089 (このIDを非表示/違反報告)
冬薙 - おもちさん» コメントありがとうございます。うごメモなんですが、ワールドうごメモギャラリーというサービスが終了してしまい、私が投稿したうごメモの作品は閲覧することができなくなってしまいました…申し訳ありません。 (2018年10月12日 22時) (レス) id: 343c04d089 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - すみませんうごメモって何て検索すればいいのでしょうか? (2018年10月8日 21時) (レス) id: 2f5b37d353 (このIDを非表示/違反報告)
冬薙 - ラリアさん» コメ返遅れてすみません。ありがとうございます！ (2018年3月4日 15時) (レス) id: 02fc250b6f (このIDを非表示/違反報告)
ラリア - とってもドキドキしています！頑張ってください！ (2017年12月23日 16時) (レス) id: edeac0aefe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：冬薙 | 作成日時：2017年12月16日 15時
