53話『目覚めのキス』 ページ3
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カチャッ・・カチャ・・・という食器の音で、目が覚めた。
同時に、爽やかな香りが鼻腔をくすぐり、めずらしく心地良いと感じる朝だった。
身を起こしながら音の方へ目を向けると、Aが茶の用意をしている。
「・・・・早いな、A」
「リヴァイ!ごめんね、起こしちゃった?」
すでに服に着替え、エプロンをつけた姿を愛でる。
抱きしめたくて、手を差し出すと、照れたように微笑みながら手のひらを重ねた。
待ちきれず引き寄せて、ベッドに座らせると、Aの肌の柔らかさを感じながら、
強く抱きしめる。
頰に指を滑らせ、顔を上に向けさせると、目覚めのキスを交わした。
「・・・おはよう、リヴァイ」
「ああ。おはよう」
「よく眠れた?」
「ああ・・・。お前が隣にいてくれたおかげでな・・・」
「ふふっ。よかった」
不眠症の俺が、他人のベッドで熟睡できるとは・・・。
本当にAには、心を許しているんだと実感した。
用意してくれたタオルを受け取り、洗顔して寝室へ戻ってくると、窓の前の小さなテーブルに、
ハーブティーが用意されていた。
「いい香りだな」
「スッキリできるハーブをブレンドしたの。レモングラスとペパーミント」
「ほう・・・聞いたことがあるな」
「ほんと?庭にたくさん育ってるの。ハーブって放っておいても育つくらい強くて・・・」
瞳を輝かせながら、俺に向き合うA。
いつもはぼうっと過ごすだけの朝が、Aと一緒だと会話が弾み、
こんなに充実した時間になるのか。
・・・・悪くねぇ。
この先もずっと・・・
Aとともに、こうして過ごしていけたら・・・・
フッ・・・。
昨日は自分にそんな資格があるのかと自問したが・・・
俺もAと同じ、未来のかたちを望んでいるということか。
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ああ - ドキドキがとまりませんでした〜 (9月16日 22時) (レス) @page28 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
じっくりコトコト - 兵長と一般人の恋愛は一味違っていて、とてもドキドキしました!一般人に見せる兵長の優しい顔、すてきだろうなぁと想像しながら読み進めました! (2021年1月13日 16時) (レス) id: 693713d422 (このIDを非表示/違反報告)
りぃまーる - 泣いてしまいました。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年12月21日 14時) (レス) id: a3334f2d39 (このIDを非表示/違反報告)
凪沙(プロフ) - サロメさん» サロメさん、コメントありがとうございます!初めて書いたもので恥ずかしいのですが、温かい言葉を頂き、とっても嬉しいです(;▽;) (2017年10月1日 1時) (レス) id: de23ec7cfd (このIDを非表示/違反報告)
サロメ - コメント失礼します!とても優しい話で、久々に読みきった時の喜びと悲しさが大きかったです。素敵な話をありがとうございます。 (2017年10月1日 0時) (レス) id: 657e6fdf88 (このIDを非表示/違反報告)
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