69 ページ49
「・・・・ねぇ、キリト君。もし誰かと結婚した後になって、相手の人の隠れた一面に気づいたら、きみならどう思う?」
帰ろうと歩き出すと不意に閃光が呟いた。
キリトは小さく、えっと言った後、視線を動かす。
「・・・・・・?」
そしてなぜか、こちらを見た瞬間ばっと顔ごと視線を反らされたので思わず首を傾げる。
「ラッキーだった、って思うかな」
「え?」
「知らなかった面まで好きになれたら、に、二倍じゃないですか」
単純計算でも二倍にはならないのでは。
知らなかった面まで好きになれたら、か。
きっとキリトの好きになる人は、幸せ者なんだろうなぁ、なんて。
考えて胸の奥がちくりと痛んだのは、気のせいだ。
「・・・・それに、涙ながらに‘自分はこんな奴なんです’なんて言われたりしたら、放っておける訳ないしな」
「なみ・・・・、」
心当たりがありすぎる。
閃光が首を傾げている。悪いが説明はしない。
「これからはちゃんと色々抑えるんで、安心して下さい」
「・・・・傍にいるのに頼られない男ってどうなんだ」
「キリトを男性だとは認識してないです。頼ってないと言ったら嘘になりますけど」
「・・・・・・前半のがなかったら喜べるんだけどな」
キリトは今まで傍で私を受け入れてくれた。
こんなふざけた言葉のやり取りも、私が全てを打ち明ければ終わってしまう。
けれど、これだけは受け入れてもらいたいと思わない。思ってはいけない。
でも、ごめんなさい。
もう少し、もう少しだけ君と一緒にいさせてください。
198人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神代 - おもしろいです (2015年6月12日 21時) (レス) id: 4007d28527 (このIDを非表示/違反報告)
菓豆(プロフ) - 卯蘭さん» お役に立ててなによりです。応援ありがとうございます!! (2015年3月12日 21時) (レス) id: 70dd2b75b7 (このIDを非表示/違反報告)
卯蘭(プロフ) - それと、夢主ちゃんクールビューティーすぎて最っ高です!いつも見てます、応援してます!!((日本語エ (2015年3月12日 21時) (レス) id: 5ad3b9ae2e (このIDを非表示/違反報告)
卯蘭(プロフ) - 菓豆さん» 分かりました!ありがとうございます、検索してみます!!(ノ´∀`*) (2015年3月12日 21時) (レス) id: 5ad3b9ae2e (このIDを非表示/違反報告)
菓豆(プロフ) - 桃さん» コメントありがとうございます。そして誉めていただいてありがとうございます!! (2015年3月12日 7時) (レス) id: edc29e4d3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菓豆 | 作成日時:2015年2月15日 14時