ＳＡＯキリト夢小説 White guardian４

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私自身すっかり頭に残っていなかったが、グリセルダさんとグリムロックは夫婦だ。いや、だった、というべきか。

当然、二人のストレージも共通化されていた。


「グリセルダさんを殺`したところで、指輪は奪えないんだ。彼女が死んだ瞬間に、グリムロックのもとに転送されてしまうんだから」


キリトの静かな声だけが空気を揺らす。


「シュミットに渡す報酬分の大金を用意するには、指輪を売却しなきゃならなかったはずだ。そうできるのはグリムロックだけだ」
「そんな・・・・嘘です！あの人が真犯人だっていうなら、なんで私たちの計画に協力してくれたんですか！？」


ヨルコさんが信じられない、あるいは信じたくないというふうに声を上げた。

ヨルコさんの言いたい事はわかるが、グリムロックは真犯人‘なのに’協力したのではなく、真犯人‘だから’協力したのだ。


「グリムロックは、計画が全て成功したら最後はどうなるのかを知っていた。ヨルコさん達がこの場所に来る事も。なら、三人をまとめて消してしまえば、指輪事件は永久に闇に葬れる」


そこまで言うと、シュミットもラフィンコフィンの三人がこの場所に現れた理由を理解したようだった。


「・・・・・・そんな・・・・」


ヨルコさんがか細い声を漏らす。


「なんで・・・・なんで結婚相手を殺してまで指輪を奪わなきゃならなかったんですか・・・・？」
「動機までは推測できない。だから・・・・詳しいことは、直接聞こう」


キリトが言うと、視界の端にプレーヤーカーソルが二つ現れた。


一人は閃光。その表情はいつにも増して厳しい。


そしてもう一人。


閃光の持つレイピアの剣先を突きつけられながらこちらに歩いてくる長身の男。

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