第３２話 ページ34
Aside
ハンジはやれやれといった様子でリヴァイを見ると、今度は私に視線を向けた。
「じゃ、A、それ、開けてみて」
「え、いま？ここで？」
「うん。中身気になるもん」
……そりゃあ、同じ兵、しかも男子からとなれば気にはなるけど。
だからってなぜここで開ける必要が。
しかも、リヴァイがいるのに。
だが、当のリヴァイも中身が見たかったようで、「早く開けろ」と私に目で合図してくる。
……私はため息をつき、箱に装飾されていたリボンをとると、ゆっくり箱を開けた。
そこには。
いつだか本で見た、海のように青く、透き通ったピン止め。
「……きれい」
無意識に、声がこぼれる。
手に取って、日光にあててみると、キラキラと輝く。
「A、まだなにか入ってるよ？」
「……え？」
ハンジに言われ、箱の中を見ると、小さなカードが。
手に取ってみると、そこには、
「A副兵長。好きです」
と、一言だけ書かれ、その裏には差出人の名前らしきものが書かれていた。
好き……か。
私は、不思議と特に驚かなかった。
ああ、この人は私のことが好きなのか。
普通にそう思った。
……それはたぶん、私が恋愛に興味がないから。
もちろん、未経験だし、恋愛というものがどういうことか、よくわかってなかったせいもあるかもしれない。
でも、このきれいなピン止めはもらっておこう。
そう思ったときだった。
リヴァイが、ピン止めを取り上げた。
「あ、ちょっと」
私が止めるも、すでに遅く、リヴァイはさっきの手紙のように、ピン止めを窓から外に投げ捨てた。
「なにすんの」
「お前には、必要ない」
「はあ？なんで。せっかくくれたのに」
「必要ないって言ってるだろうが。それに、似合わない」
「あんなきれいなピン止めが、私に似合わないって言いたいわけ」
「ああ、そうだ。察しがよくて助かる」
「ちょっと、二人ともー……はー、だめだこりゃ」
ハンジが何やら言っていたが、私の耳には入ってこず、しばらく言い合いをして、すぐに自分の部屋に戻った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あお - ザックレー総統に管理を聞かれたリヴァイ兵長ですが、問題はむしろその中間がないことにある。と続けています。習慣だと怖いことになりますよ。 (2023年3月2日 4時) (
レス) @page15 id: e2c1a012e2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 17話に誤字がありました。「信用されたいない」ではなく、「信用されていない」です。 (2018年9月9日 9時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちゃーねこ | 作成日時：2018年3月12日 17時
