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*403話「その後……」 ページ44

「いや、Aに関してはもう一切手をひいてるぞ」

「えっ?!」


あっけからんと新羅さんから言い放たれた言葉に、
思わず固まった……。



あのあと、まあ、当然のごとく目立っていたので、
そそくさとその場を後にして、とりあえず家へ戻った。

孝先輩は大地さんに、私はチカちゃんに連絡を入れて、
食べ物、飲み物関係はみんなが買ってくることになった。

そして、家へ戻ると自分の家のように寛いでいた新羅さん。

手を繋いでいたから隠す暇もなく、
勇気を出して真実を伝え、冒頭に至る。


とりあえず、座ればと促す目の前の人。
いや、家なんですけどね……。

そう思いつつも、真相を究明すべく視線だけやれば肩をすくめた。


「俺があとを継ぐから、Aにはもう干渉するなって言ってあるんだよ。
もしこれを破ったら、俺はあとを継がないし、Aをつれて逃げてやるって」


なんじゃそら……。

開いた口が塞がらず。
驚愕のまま固まっていれば、隣から不服そうな声。


「なんでお前が駆け落ち宣言してるんだよ……」

「そこですか……」


口を尖らせ、ぴったりくっついてくる孝先輩。
それにどぎまぎしながら、なんとか隠しつつ苦笑する。

だが、それもすぐに引き剥がされる。

べりっという効果音がつきそうな勢いで剥がされたかと思うと、
新羅さんがなぜかそのまま私たちの間に座ってきた。


「はーい、ひっつくの禁止」

「「は?」」


そう言うなり、軽く抱きしめられる。

え、どうしたんだろ……。

若干引いていると、孝先輩がむっとしながら口を開く。


「なんだよ、新羅あ。お前はAの親か」

「おう! 親ではないが、家族だしぃ。
Aのことをちっこいころから見てきたお兄ちゃんだしぃ」

「いや、それは縁下だろ」

「んなことないですぅー。俺だって兄でしたぁー」

「いや、どちらも兄ではないのですが……」


よくわからないやり取りだが、
とりあえず、空気は穏やかだったので放置することにした。

*404話「想いの強さ」新見side→←*402話「現実」



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星蛍(プロフ) - 凛香奈さん» こちらこそ、今までありがとうございました!! (2021年1月3日 13時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
凛香奈 - 完結おめでとうございます!更新されるたびに楽しくみてました。本当におめでとうございます! (2021年1月2日 20時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 凛香奈さん» ありがとうございます!! 頑張ります!!(TT) (2020年11月29日 19時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
凛香奈 - パート9待ってました!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2020年11月29日 17時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - ルナ#さん» 申し訳ありません…。最後まで頑張らせていただきます! (2016年10月22日 20時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 | 作成日時:2016年8月11日 21時

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