*402話「現実」 ページ43
目を丸くする孝先輩に、
これだけじゃなくちゃんと言わなきゃ。
そう思って、もう一度口を開いた瞬間、
ぎゅっと勢いよく抱きしめられた。
「こ、こう」
「ほんとに?」
一気に熱くなる顔。
だが、顔の横で囁かれた言葉が震えていたのに気づき、
そのままの状態でか細く「はい」と答えた。
「ほんとのほんとに?」
「はい」
「ほんとのほんとのほんとに?」
「……はい」
何回も確認を取られ、仕方がないとはいえ
信頼がないのだとちょっとショックを受ける。
しょんぼりとしていると、孝先輩はゆっくり離れた。
離れるぬくもりにまたしょげると、
コツンと額と額をあわせられた。
また熱くなる顔。
「……俺も」
「……え、」
「俺も“好き”」
その言葉に、思わず顔を遠ざける。
今なんて言った?
予想外の言葉に驚きが止まらない。
「げ、幻聴?」
「一度ならず二度までもそう言っちゃう?」
「だ、だって、」
ニノさんは?
そう聞くより早く、腕をひかれ、
腰と頭の後ろに手が回ったと思ったら小さなリップ音。
「んっ」
「っ、現実ってわかった?」
されたことに一瞬遅れで顔を赤くしながら、
首振り人形よろしくコクコク頷いた。
それに孝先輩は頬を緩めながら、
腰に回していた腕に力を入れ、また距離を縮めた。
「A」
「は、はい」
「好きです。俺と付き合ってください」
「っ、はい!」
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星蛍(プロフ) - 凛香奈さん» こちらこそ、今までありがとうございました!! (2021年1月3日 13時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
凛香奈 - 完結おめでとうございます!更新されるたびに楽しくみてました。本当におめでとうございます! (2021年1月2日 20時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 凛香奈さん» ありがとうございます!! 頑張ります!!(TT) (2020年11月29日 19時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
凛香奈 - パート9待ってました!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2020年11月29日 17時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - ルナ#さん» 申し訳ありません…。最後まで頑張らせていただきます! (2016年10月22日 20時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2016年8月11日 21時