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*385話「二回戦 vs角川学園」 ページ26

二回戦は私がベンチに入ることになった。


「それじゃあ、Aちゃんよろしくね」

「はい!」


潔子さんから引き継いだノートを片手に、
コートへ並ぶみんなを見つめる。

たぶん、考えていることは一緒。


この試合を勝てば、一次予選突破。

相手が2mだろうが関係ない。


“絶対勝つ”


抱いていたノートに自然と力が入った。










蛍君のサーブから始まった試合。

初っ端から百沢君のスパイクがブロックの上から叩かれた。


「ひぇっ……」


思わず小さく悲鳴を上げる。

その次の攻撃、
翔ちゃんのフェイントもまるで意味を成さない……。

ボールはブロックを越えることなく、こちらのコートに落とされる。


「なんという高さ」

「普通なら今のはブロックの上を越えていくはずなんだが
やっぱえげつねえなあ……」

「ですね。見た目通り、高さが凶器」


向かい合いたくないなあ、と青ざめる。



とんとん拍子に試合が進んでいくが、
やはり2mの壁はでかく、どちらかといえば角川有利の流れ。

こちらは相手のミスで点数を重ねていることが多い。


まあ、でも今のところは(・・・・・・)だけどね。


1回目のタイムアウトはこちらが先に取った。

選手にタオルやドリンクを配っているとき、
たまたま向こうの会話が耳に届いて、思わず動きを止める。


「バレーってパスとか難しいけど、なんつうか“単純”っすね」


はあ?

ゆるりと振り向けば、向こうの選手の何人かと目が合った。


単純?

始めたばっかのアマちゃんが何抜かしてんだコラ。

バレーをわかった気でいんなよ1年坊主。


的なのを目だけで伝えてやれば、
目が合った人たちはみんな青ざめていた……。


「……大和、どうした」

「べ!つ!に!!」


バンッと勢いよくボトルを渡したら、
チカちゃんに叩かれた。

ついでに大地さんに「物に当たるな」と睨まれた。


くすん。

*386話「真顔禁止」→←*384話「シンプルで純粋な力」



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星蛍(プロフ) - 凛香奈さん» こちらこそ、今までありがとうございました!! (2021年1月3日 13時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
凛香奈 - 完結おめでとうございます!更新されるたびに楽しくみてました。本当におめでとうございます! (2021年1月2日 20時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 凛香奈さん» ありがとうございます!! 頑張ります!!(TT) (2020年11月29日 19時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
凛香奈 - パート9待ってました!ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2020年11月29日 17時) (レス) id: 11436a7db0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - ルナ#さん» 申し訳ありません…。最後まで頑張らせていただきます! (2016年10月22日 20時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 | 作成日時:2016年8月11日 21時

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