＊320話「手のひらから滲む」 ページ4
保健室独特の消毒液の匂いと、
カーテンによる日陰で少しましになった気がする。
あのあと、とりあえず、怪我の手当てをしに保健室に来たのだが、
ずっと熱がこもってるような感じでぼぉーっとしていた私に先生が気づいた。
あれよあれよという間に熱を測られ、冷えピタをはられ、
水分をとり、気づいたときにはベットの上で寝ていた。
「軽い熱中症ですね」
「すみません」
「よく休んでください」
最初のお説教でもうヘトヘトになっていたのと、
おそらく熱中症のせいで弱々しい声がでた。
先生はもう怒ることはせず、
苦笑しながらコーチと主将、副主将と相談していた。
もう、迷惑かけてばっかだなあ......。
そう自己嫌悪しているうちに、
久々の試合だったのもありすぐに私は寝てしまった。
ふっと意識が浮上して目を覚ますと、
先生や主将たちはおらず、代わりに潔子さんがいた。
「潔子さん......」
「あ、気がついた？」
何かをテーブルにおき、潔子さんから体温計を渡される。
それを受け取り、熱を測りながら、
次は水を渡されたので起きあがり一口ごくり。
ピピピッと鳴ったので、それを確認する前に潔子さんにとられる。
「少し下がったね。でも、まだ休んでた方がいい」
「すみません」
「ふふっ、Aちゃん。今日そればっかりね」
太陽からの日差しを背中に受けながら、
微笑する先輩に思わず見とれる。
それをまだ熱があるからか、と判断した潔子さんは
「水飲む？」とミネラルウォーターを注いでくれた。
「そうだ、Aちゃん！ 食欲はある？」
「え、うーん......そこそこ？」
「なら、少しだけでも。はい」
そういって手渡されたのは、
ふっくらとしたタマゴ雑炊だった。
湯気が少し出ているのを見る限り、作ったのはついさっきのようだった。
わざわざ作ってくれたのかな？ と思いながら、
一口パクり。途端にひろがる濃くも薄くもない味。
「おいしい......」
「よかった」
胸を撫で下ろす先輩。
そういえば、二人きりは久しぶりだ......。
今ごろ気づいた状況に、
じんわりとレンゲをもつ手に汗が滲んだ。
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星蛍(プロフ) - nasiremonさん» めちゃくちゃ嬉しいコメントをありがとうございます！！ 頑張ります！！ (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon(プロフ) - 作品を拝見させていただきありがとうございました！オリキャラたちの人間関係かハイキューキャラとすごい(語彙力)感じに絡んでいてもう、、、本当にすごいです！！！過去篇では涙目になっちゃったし、こう先輩がっっ………！！！更新頑張ってください！ (2020年11月22日 2時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 空良さん» ありがとうございます！最近サボりがちだったので面目ないです(_ _;)今月はガンガンこちらを更新しますよ！ (2016年7月2日 7時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しく読ませていただいています♪更新お待ちしています(*´∀`) (2016年7月1日 23時) (レス) id: a94687914e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年7月1日 21時
