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*344話「周知の事実」 ページ28

すっかり固まってしまった三人の中で、
いち早く我に返った木兎さんが顔をずいっと寄せてくる。


「え、じゃあ、ツッキーが好きなの?」

「え、違いますけど......ていうか、なんで蛍くん?」

「ええ、じゃあ、スガワラー?」

「え、あ、あの......ええ?」


木兎さん......全く話聞いてない。

次から次へと落とされる爆弾に処理できず、
混乱してきた......。頭がぐるぐるなる。

ショート寸前、矢継ぎ早に聞いてくる木兎さんの言葉を、
真赭さんがパンっという拍手一回でとめた。


「木兎、Aがショートする」

「ハイ。ゴメンナサイ」

「あ、いえ」


鋭い眼光に木兎さんがシュンとする。
この人、本当に三年生......だよね?

ちょっと可哀想に思っていると、ずっと黙っていた赤葦君が口を開いた。


「大和は菅原さんと付き合ってないの?」

「へあっ?! う、うん」

「......俺たちからは二人が付き合ってるように見えた」

「......え?!」


言いづらそうに彼が発した言葉。
それに驚きながらもどこかで納得してる(・・・・・)自分がいた。

今度は私が目を見開いて固まっていると、
黒尾さんが頭の後ろで手を組ながら話す。


「GWのときからなんか二人して親密だなあって思ってたんだけど、
合宿始まったときは、一転してツッキーかなあと思ったんだよねえ」

「え......」

「GWのときはそうでもなかったけど、合宿の前後で大和ちゃん、
一気にツッキーと仲良くなったじゃん? だからね」


合宿の前後と聞き、あのときだと気づく。

感情がぐちゃぐちゃで破裂しかけたとき。
彼の気持ちを知っていることを開けて拒絶したのに、
それでもいいと受け入れて支えてくれたあの夜。


何も言えずに黙っていると、

黒尾さんはいつになく優しい目で
こちらを見ながら頬杖をついた。


「でも、やっぱり違うなあって最近というか一昨日から思ったよ」

「え......」

「こっちゃん、スガワラーといるとき女子って感じだもんなあ!!」


女子? ってもとから女子だけど......。
と思って、困惑ぎみになんとなく真赭さんを見ると、

彼女は肩をすくめた。


「女子っていうか“乙女”だな」

「お、とっ......」


耳慣れない単語に顔が暑くなった。

*345話「できないから」→←*343話「好きなの?」



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星蛍(プロフ) - nasiremonさん» めちゃくちゃ嬉しいコメントをありがとうございます!! 頑張ります!! (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
nasiremon(プロフ) - 作品を拝見させていただきありがとうございました!オリキャラたちの人間関係かハイキューキャラとすごい(語彙力)感じに絡んでいてもう、、、本当にすごいです!!!過去篇では涙目になっちゃったし、こう先輩がっっ………!!!更新頑張ってください! (2020年11月22日 2時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 空良さん» ありがとうございます!最近サボりがちだったので面目ないです(_ _;)今月はガンガンこちらを更新しますよ! (2016年7月2日 7時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
空良(プロフ) - 続編おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいています♪更新お待ちしています(*´∀`) (2016年7月1日 23時) (レス) id: a94687914e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 | 作成日時:2016年7月1日 21時

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