＊290話「極論」 ページ22
見事に点だな......。
全員の反応にぼんやりとそんなことを思う。
いち早く我に返った結良が、いやいやと首をふる。
「さすがに何も考えないのは......。
ブロックとか、コースとかかんが」
「あんた、なんでごはん食べるの？」
「は？ ご飯？」
目を白黒させて聞いてくる結良に、こくんと頷く。
「え、お腹が空くから」
「じゃあ、なんで寝るの？」
「ね、眠いから」
「じゃあ......」
ひとつ目をつぶる。
瞼の裏に映るのは、“綺麗なフォーム”。
「なんで“飛ぶ”の？」
「んー、
「うん。それだけじゃん」
は？と首をかしげる結良に、もう一度言う。
「
ごはん食べるのはお腹が空くから。
寝るのは眠いから。
わざわざ“考えること”じゃ、ないでしょ」
目線をそらさず、そう言えば
すうーっと入ったらしく、一瞬間のうちに結良は頷いた。
「そうだな」
「「「いやいやいや」」」
納得した結良に、すぐ突っ込みが入る。
「よく納得しましたね......」
「やっぱ馬鹿。じゃないや、阿保」
「だから、それ同じだかんな！！」
呆れる後輩たちに噛みつく結良。
そのまま、ギャーギャー騒ぎだす。
「A......」
「これが一番手っ取り早い」
不安と顔に書いている叶羽に、
頭をポンポンとしてあげる。
結良は変わらず、後輩たちにいじられていた。
「規格外に頭良いくせに阿保。
阿保なくせに頭が良い。
だから、結良は考えれば考えるほどわからなくなる」
「聞こえってかんな、Aっ！！」
ぐわっとこちらを見てくるが無視する。
こいつの頭の中は未知すぎて、
割ってみてみたいと何度思ったことか。
でも......。
「良くも悪くも“単純”だから」
「おい」
「何も考えない方がいいんだよ。それに......」
じとっと見てくる結良の心臓辺りに、
人差し指をぴんっとあてる。
「心配しなくても、違和感なくしてあげるから。
安心して“来な”」
そう言って、ふっと微笑めば、周りが、
「「「A／先輩かっけええ！！！」」」
と震えた。
＊291話「かっこいい変人たち」菅原side→←＊289話「茶番劇」
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
