＊287話「“それ”は私が背負うもの」 ページ18
点をとっているのはこちらだが、結良のミスが目立つ。
さて、どうするかな、と思ったとき早乙女と目があった。
嫌な予感......。
その予感は的中し、わざわざこちらにやって来た。
「あれぇ？ さっきからミスの連発ですけどぉ、
“エース”って誰でしたっけぇ？」
嘲笑し、あからさまに挑発してくる早乙女。
それに対して結良はなにも言わずにいる。
常であれば、すぐに噛みつくのに......。
何も言わないのを良いことに、早乙女は続ける。
「そこの“エースもどき”は寝てんじゃないのぉ？」
「......そうだね」
「はっ？」
「A？！」
明らかな悪口に肯定すると、
早乙女と叶羽から驚きの声が聞こえた。
結良も目を丸くして、私に振り向く。
その目からそらさず、見つめて言う。
「あんた“誰に”
「っ......」
動揺する瞳。
ふいっと顔ごとそらす彼女。“エース”。
私たちの“エース”。
「“こっち”を見ろ」
「ぬぐっ」
両手で顔を無理やり動かし、そらさせないようにする。
ゆらゆらしている瞳。
“なんで”決まらないのか。
“なにを”考えているのか。
わかるよ。
“エース”だもんね。
わかってるよ。
でも、
「“舐めんなよ”？」
「っ」
ぐっと目に力を込めながら、言葉を紡ぐ。
感謝してるんだ。
モノクロな世界に色をつけてくれた。
静かな世界に音をくれた。
寂しいだけの帰路が、いつの間にか温かかった......。
周りから敬遠され、
一緒にいればいるほどわかる......。
“結良の才能”
側にいて良いのかなって初めは思ったけど、
いつも嬉しそうに“笑う”から。
いつも楽しそうに“笑う”から。
一緒にいたいなって思えた。
苦しくても、“頑張ろう”って思えた。
私たちの“エース”。
私の“ヒーロー”。
かっこいいヒーロー。
“私”を戻してくれた。
だから、真摯に向き合おう。
“それ”は私の仕事であり、お前の仕事ではない。
“背負わなくて”いいから、
エースは真っ直ぐ、
“飛べ”
＊288話「“これ”が私の背負うもの」東雲side→←＊286話「目」向日side
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
