＊286話「目」向日side ページ17
シャットアウトされた瞬間。
結良がへらっと笑った瞬間。
Aの瞳がすぅっと細くなった。
隣の藍は結良しか見えていないようで、気づいてなかったが......。
何やってんだか......。
ため息をつきたいのをぐっと我慢する。
そのとき、ちょんちょんと腕をつつかれた。
誰かと思ってみれば、研磨が不満そうにこちらを見ていた。
そういえば、話してる途中だったな......。
ポリポリと頬をかき、コホンとわざとらしい咳をして再開する。
「Aはまあ、動体視力とかもろもろ人並みより良い。
だから、他より遠くからでも隣にいるくらいはっきりと見えている」
剣道も少し噛ってたのもあるし。
「だから、手の角度とか目線とかで何を打つのかある程度わかる」
今度はMBの後輩の速攻が決まり、
ウエーイとハイタッチをかわしている。
「あたしも見えることあるけど、Aのはちょっと違う」
あれは“天性”のものであり、
身に付けられるものではない......。
「まあ、全部は無理だけど。
あんまりフェイントに引っ掛かることはないよ」
言ってるそばから、今度は早乙女のツーをブロックした。
うわあ、早乙女の目こわっ。
Aのこと殺すんでない？ってくらい睨み付けてらあ。
にも関わらず飄々としているAに、
だんだんと彼女も“素”に戻りつつあるのだと安心する。
藍は面白がってニタニタしてるけど......。
呆れていると、隣からボソリと聞こえた。
「でも、“それだけじゃない”......でしょ？」
「あはははっ」
射るような目にゾクッとしながら、笑い飛ばす。
こわいこわい。
流石、研磨だな。
肩をすくめていると、
Aがペロリとまた下唇を舐めたのがわかった。
うん。“集まって”きてるみたいだな。
−“鷹”の本性はこれから......。
＊287話「“それ”は私が背負うもの」→←＊285話「第二セット」宮瀬side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 215人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
