＊281話「ちゃんと見てる？」 ページ12
24対22。
点差はわずか2点。
チラリと横目で点数を確認して、息を吐く。
空回っていた攻撃を揃え、
ばたついていた空気を静め、
じわじわと好調へと変える。
それが“今”やるべきことで、最適解。
じゃあ、次は？
点数なんざ関係なく、次に己がやるべきことは？
そこまで考えていたとき、まとわりつく声に思考が止まる。
「ふんっ。大口叩いてたわりに大したことないわね」
わざわざネットを挟んで言ってくる早乙女。
それを横目にとらえながら、ポジションにつく。
後ろから聞こえた舌打ちは聞こえないふり。
ピッとホイッスルが鳴り、停止した思考を再生する。
うん。決めた。
すれ違うときに隣の千草の肩を“拳で2回”軽く叩く。
それだけでわかったのか、少し緊張した面持ちで頷く彼女。
それに私も相槌で返す。
位置につき、ホイッスルが鳴る。
なかなか威力のあるサーブがきたが、紅が綺麗なレシーブで返してくれる。
「ナイスレシーブっ」
その瞬間に動く千草。
ボールの落下点に入り、ジャンプ。
千草の位置、タイミングを把握し、
あげる
ボールが手を離れる前。
ほんの一瞬。
早乙女の顔が見えた。
驚愕と困惑がない交ぜになった、顔。
それに少しだけ口角があがった。
あなたが馬鹿にしていたこの子は本当はもっと飛べるんだよ。
あなたが馬鹿にしていたこの子は本当はもっと早いんだよ。
弧を描いて千草の手のひらに収まったボールが、
スパンッと良い音を鳴らしながら相手コートに決まった。
こちらを忌々しげに睨む早乙女。
だが、最初のような余裕は見えず、どこか焦りを含んだその顔。
クスリと笑いかけながら、視線で教える。
あなたが馬鹿にしていた“みんな”は、本当はもっと強いんだよ!!!
と......。
＊282話「反撃開始」向日side→←＊280話「調子」影山side
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
