＊301話「裏の支配者」 ページ33
うーん......気のせいじゃないな。
また、乱れたレシーブに私は懸命に足を動かした。
さっきのネット越しの会話以降、
何かしら早乙女に伝えたのか、それともこっそり指示したのか、私がやたら動かされる。
そして、明確な目的の意図に後輩たちも気づき出す。
心配そうな顔に、どうしようかと考えていたとき、
叶羽が一回目のタイムアウトをとった......。
すぐにベンチに座らされ、首の後ろに冷えタオルをあてられる。
その心地よさに、「はあああぁぁぁ」と大きく息をはいた。
「バテバテだな」
「ううん。まだバテくらいだよ」
「数の問題か」
手をぷらぷらと振りながらそんなことを言うも、
みんなの顔は晴れないし、私のきつさも晴れない。
タオルをかぶりながら、その端っこで流れる汗をぬぐう。
「交代するか？」
「んー......」
“交代”と聞いた瞬間、私に冷えタオルを当ててくれていた
潤の指がほんの少しピクリと動いたのがわかった。
悩むそぶりをしながら、答えは割とすぐにでた。
「もうちょい頑張る」
タオルから顔を覗かせていえば、
結良はしかめっ面、叶羽は不安顔で思わず笑ってしまった。
「死にゃあしないから大丈夫よ」
「いや、脱水症状！！ 熱中症！！」
「だいじょうぶ」
頑なに「大丈夫」を連呼してたら、
結良は諦めたのか、ため息を一つはいて引き締める。
「とりあえず、無理はするな」
「ん」
「要望は？」
「できるだけ高めで」
「OK」
全員の真剣な顔に、私も気を引き締める。
そして、一番の不安要素をチラリと見る。
「たぶん、まだ早乙女は気づいてないと思う」
「うん」
考えていたことがわかったのか、叶羽が隣を警戒しながら言う。
「早乙女は今誰の話も聞かないモードだし」
「となると、気づいた7番の子が指示だしてんな」
「結構鋭いね」
でも、“だからなんだ”という話だ。
＊302話「“俺”は知っている」菅原side→←＊300話「失態」
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
