＊296話「変わらない大切なもの」漆原side ページ28
後輩たちに指示を出すAの横顔を見つめる。
正確には斜め上からだけど......。
今聞きたい訳じゃなかったが、
さっきのが衝撃過ぎてずっと見ていた。
すると、案の定敏感な彼女はこちらを見た。
「なに？」
「いや、うーんと......」
チラッと結良を見れば、後輩の一人と駄弁っている。
なら、大丈夫かと自己完結してそっと聞く。
「“怒ってる”？」
「......」
その言葉にAは顔色一つ変えず、
動揺一つ見せず、チラリと早乙女たちの方を見た。
「......まあ、たぶん」
「たぶんって」
Aらしい回答に苦笑した。
だが、早乙女たちの方を見る横顔は温度がなくて
私の口角も自然と下がった。
「......あいつさ、結良のブロック緩めてたんだよね」
「へ？」
聞いたのはこちらだが、続けてくれるとは思わなかったのですっとんきょうな声が出た。
でも、Aは気にせず続けるので、私も耳を傾ける。
「まあ、実際止められてたし。
そうなんだけどさ......」
「うん」
「“なめすぎ”でしょ」
低い声色に、蒸し暑いはずの館内が寒く感じた。
こんな風になるAを見ることは、片手で数えるくらいしかない。
基本、怒らないし。
まあ、怒ったら美人特有の圧がすごいんだけど......。
それでも、こんな風に怒りを露にすることはない。
ましてや、“仕返し”じみたことをすることも見たことない。
何を言われても、
何をされても、
怒ることはなかった......。
___「違います」
怒ることは......。
___「訂正してください」
なかっ、た......？
___「謝ってくださいっ」
ふと、数回しか見たことがないAの怒。
そこにある共通点に、思わずああっと声を漏らした。
不思議そうにこちらを見るAに苦笑する。
「なに？」
「んー」
意外とわかりやすいよね。
「なんでも！」
Aが怒るのはいつも“
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星蛍(プロフ) - 美玲さん» ありがとうございます！ (2020年1月6日 11時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - いえいえ！更新頑張ってください！ (2020年1月6日 5時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 美玲さん» 代わりにありがとうございました！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 沙綾さん» 返信遅れてすみません！！美玲さんの言うとおり、縁下くんです！ (2020年1月5日 21時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
美玲(プロフ) - 沙綾さん、多分それ縁下力くんの事だと思います！もし違ってたらすみません(><) (2019年11月30日 17時) (レス) id: 405180babc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2016年2月28日 20時
