＊268話「居場所」 ページ46
つぅーっと涙がこぼれた。
____「あいつはそんなので潰れる奴じゃない」
____「あいつはちゃんと強い」
____「うちのセッターをなめんなっ」
いつもそうだった。
私が馬鹿にされるといの一番に怒ってくれた。
「......もうっ」
馬鹿だなあ。もうほんと馬鹿。
どうして逃げたの？
どうして見なかったの？
わかってたことじゃない......。
じゃあ、私がするべきことは......。
『できるの？ あなたに』
差し込んだ光に手を伸ばしたとき、
“陰”が囁く。
『戦ったところで思いしるのは大きな才能』
うるさい
『向き合ったところでわかるのは高い壁』
うるさい
『頑張ったところで何も敵わないのよ？』
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
あと一歩が出ない。
あと、一歩が......。
また闇に覆われそうになったとき、
両頬を大きな手のひらが包む。
「A」
「こ、せんぱい」
目を合わせる、孝先輩。
優しい瞳が闇を払ってくれる......。
「“俺たち”がいる」
「そうだぞ」
はっ、として周りを見れば、
優しく目を細める“
「み、んな......」
「おう！！」
ぐっと親指を出す田中と夕。
ニコリと穏やかな笑みを浮かべるチカちゃん、和君、久君、潔子さん、大地さん。
涙目の旭さん、翔ちゃん、山口君、谷地さん。
心配そうな、でも仏頂面の影山君と蛍君。
そうだ。
私の仲間は“結良”たちだけじゃない。
“
昨夜のように孝先輩が涙をぬぐってくれる。
優しく優しくぬぐってくれる。
「“頑張れ”」
「っ......」
「“頑張れ”っ」
たった一言。
でも、されど一言。
その一言に“背中を押された”。
だから、大勢の瞳も気にならなかった。
人波を縫って、“彼女”のところへいく。
今にも結良に“傷”を与えそうな彼女のところへ。
振り上げた腕をパシッと掴む。
「なっ」
「バレーで戦っているんだからバレーで勝負しなさい」
もう逃げない
＊269話「けじめ」→←＊267話「なめんなっ！！」東雲side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ハイキュー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星蛍(プロフ) - ゆっぴぃさん» ありがとうございます！来年１月からハイキューが始まると聞いて最近更新を頑張っている次第です笑 パスワードにつきましてはこちらのミスです。すみません！！今日中に解除します！！ (2019年11月19日 11時) (
レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 猪絢さん» ありがとうございます！パスワードは解除したつもりでした。すみません！！今日中に解除しておきます！！ (2019年11月19日 11時) (レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴぃ(プロフ) - 凄い面白くて毎回更新楽しみにしています。7章はパスかかってるので見れないのが悲しいです。近々見れるようになりますか？早く続き読みたいです。 (2019年11月19日 10時) (レス) id: 3c7526cd22 (このIDを非表示/違反報告)
猪絢(プロフ) - 面白くて読み込んじゃいました！7章パスワードかかってた見れないのですがまだ書き途中だったりするのでしょうか…？ (2019年11月19日 1時) (レス) id: 262406d3d0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 杏樹さん» それは良かったです！ありがとうございます(^-^) (2019年11月18日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星蛍 x他1人 | 作成日時：2016年1月8日 20時
