＊242話「狐につままれる」 ページ20
研磨君と食堂に戻ると、なんか全員いた......。
「お、戻ってきた。戻ってきた」
「おかえりー」
烏野のみんなが、
「なんで音駒のセッター/研磨と？」
みたいな顔をしている中、
真赭さんと藍さんがゆったりとした口調で笑いかけてきた。
それに、挨拶をしながら首をかしげる。
「藍さん、時間大丈夫なんですか？」
「あ、確かに」
私の言葉に今気付いたという顔で真赭さんも藍さんに聞いた。
藍さんはひらひらと手を振りながら言った。
「大丈夫！ 森然の近くにお祖母ちゃん家あるからそこに泊めてもらう！」
呆気からんと本人は公言するが、
私を含めて周りは微妙な顔をする。
それに心底不思議そうな顔をする藍さんに、
真赭さんが私たちの心の声を代弁してくれた。
「いや、もう結構遅い時間だし危ないだろ」
「すぐそこだよ？」
「そういう問題じゃない」
周りの心配もなんのその、どこ吹く風の先輩。
真赭さんも呆れていると、衛輔君が言った。
「泊まれよ、藍」
凛とした声が食堂に響く。
藍さんは苦笑しながら、いや......と言うも、
「いくら近くと言えど、女の子なんだから。
こんな時間に一人で歩かせられねえよ！」
「流石、音駒の母」
「おい、誰が母だ」
衛輔君のかっこいい発言に、
憧れるもの半数、賛同するもの半数、茶々いれるもの1名(黒尾さん)
ちなみに黒尾さんは衛輔君に蹴られた。
でも、これだけ言っても大丈夫！って言うんだろうなあ、と思っていると、
藍さんはなんだか慌てて笑顔を作って言った。
「そ、そうだなあ。じゃあ、そうすっかなあ」
意外にも言うことを聞いて目を丸くする。
真赭さんを見れば、なんだか暖かい目で微笑んでいた。
「心配ありがと。夜久ママ」
「ママじゃねえわ」
「男前だね、夜久ママ」
「お前はちょっと面貸せっ」
一瞬真赭さんに目を向けただけなのに、
気づけばいつも通りな藍さん。
なんだか狐につままれたような心情にかられた......。
＊243話「優しい瞳」→←＊241話「不器用なエール」弧爪side
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 108人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ハイキュー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
星蛍(プロフ) - ゆっぴぃさん» ありがとうございます！来年１月からハイキューが始まると聞いて最近更新を頑張っている次第です笑 パスワードにつきましてはこちらのミスです。すみません！！今日中に解除します！！ (2019年11月19日 11時) (
レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 猪絢さん» ありがとうございます！パスワードは解除したつもりでした。すみません！！今日中に解除しておきます！！ (2019年11月19日 11時) (レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴぃ(プロフ) - 凄い面白くて毎回更新楽しみにしています。7章はパスかかってるので見れないのが悲しいです。近々見れるようになりますか？早く続き読みたいです。 (2019年11月19日 10時) (レス) id: 3c7526cd22 (このIDを非表示/違反報告)
猪絢(プロフ) - 面白くて読み込んじゃいました！7章パスワードかかってた見れないのですがまだ書き途中だったりするのでしょうか…？ (2019年11月19日 1時) (レス) id: 262406d3d0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 杏樹さん» それは良かったです！ありがとうございます(^-^) (2019年11月18日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星蛍 x他1人 | 作成日時：2016年1月8日 20時
