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*254話「もう、、、」 ページ32

早乙女の発言に否を示した瞬間、
後ろにいた烏野、特に大地さんと孝先輩がほっとしたのがわかった。



ごめんなさい。巻き込んで。
ごめんなさい。迷惑かけて。


申し訳なさで胸がいっぱいになる。

拒否ればどうなるか(・・・・・)なんてわかってるけど、


__「“今すぐバレー部を辞めて”」


それだけは、できなかった。


何も言えなかった自分を受け入れてくれたみんな。
何も言えなかった自分を待っていてくれたみんな。

優しい人。優しい人たち。



力が入りっぱなしの拳が震える。

早乙女は少し怪訝な顔をしたが、すぐに綺麗な笑みを浮かべた。

何も知らない人から見れば頬を染めそうな笑み。
私からしたら何かを企んでいるような“悪魔”の笑み。

それを感じたのは私だけじゃないようで、結良も身構える。


「わかったわ。バレー部“は”辞めなくていいよ」


これで話がまとまる、かのような雰囲気に周りがなる。
だが、私たちはわかっている。

これで終わるわけない、と……。

早乙女は不気味なほど綺麗な笑顔を張り付けて、こちらに一歩踏み出す。

結良が警戒するように私を守る。


「その代わり、“土下座”してよ」

「は……」


あっけからんと呟かれた言葉。

目の前にいる背中が怒りで震えるのがわかる。
私のために怒ってくれている背中。

なのに、私は……。



足元にいたドロドロとした感情が体を覆う。
懐かしい、冷たい感情。

光りの見えない真っ暗な闇。


もう、

もういいよ。

もう疲れた……。


なんで、私なんだろう。
なんで、私にこだわるの。

ほっといてよ。

お願いだから、ほっといて。



何か言おうとした結良の腕をつかむ。


「あ、A?」

「……」

「A……?」


何も言わない私に困惑する結良。


もう、いいよ……。


「もういいから」

「おまっ、何言って」

「ほっといて」


お願いだから、ほっといて。


すっと彼女の腕をひき、後ろにやる。
そして、自分は膝をつく。

これで丸くるむなら、いつでもなんでもすればいい。

一瞬で済む。

済むのだから……。


あがくのは、もうやめよう


そう思ったのに、ひいた腕はびくともしない。

それどころか、ぱんっと渇いた音がすぐ近くで鳴った……。

*255話「叫び」→←*253話「それだけは、できないっ」



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星蛍(プロフ) - ゆっぴぃさん» ありがとうございます!来年1月からハイキューが始まると聞いて最近更新を頑張っている次第です笑 パスワードにつきましてはこちらのミスです。すみません!!今日中に解除します!! (2019年11月19日 11時) (レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 猪絢さん» ありがとうございます!パスワードは解除したつもりでした。すみません!!今日中に解除しておきます!! (2019年11月19日 11時) (レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴぃ(プロフ) - 凄い面白くて毎回更新楽しみにしています。7章はパスかかってるので見れないのが悲しいです。近々見れるようになりますか?早く続き読みたいです。 (2019年11月19日 10時) (レス) id: 3c7526cd22 (このIDを非表示/違反報告)
猪絢(プロフ) - 面白くて読み込んじゃいました!7章パスワードかかってた見れないのですがまだ書き途中だったりするのでしょうか…? (2019年11月19日 1時) (レス) id: 262406d3d0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 杏樹さん» それは良かったです!ありがとうございます(^-^) (2019年11月18日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 x他1人 | 作成日時:2016年1月8日 20時

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