＊250話「嵐」 ページ28
朝起きるとすでに結良と叶羽はいなかった。
そのことに少しだけほっとしながら
(そう思ったことに罪悪感を覚えながら)食堂に向かう。
すれ違う人に挨拶しながら、ドアを開けると、
「「あ……」」
叶羽に鉢合わせした。
神様は平等ですね。
先ほど酷いことを思った罰でしょうか。
なんて思いながら、お互い忙しなく目を泳がせる。
いつの間にか食堂にいた全員がこちらに注目しているのを感じ、
無視するのも酷いし、挨拶くらいはと思って口を開く。
「お、おはよ……」
「っおはよ！」
たかが挨拶。されど挨拶。
少しだけお互いに感じていた固いナニカがほぐれた気がする。
涙を少し浮かべた叶羽の横を通り過ぎ、
自分も朝食をとろうとしたとき、
バンッ
勢い良く開くドアに何事かと全員の視線がもう一度食堂のドアに注がれる。
開けたのは谷地さんだった。
「どうしたの？」
朝から汗だくでぜーはーと息を乱す彼女に、
潔子さんがかけより、背中をさする。
幾分か落ち着いたらしい谷地さんは体全部で事の次第を話し始めた。
「じ、実は今っ、見知らぬ少女が体育館にいて」
「見知らぬ少女？」
「え、ええ。その人がなんか……」
チラリと一瞬私によこされた視線に嫌な予感がした。
谷地さんは言いづらそうに続けた。
「なんか『大和Aを呼べ』って言って」
その言葉に視線が私に集まる。
じわりと手のひらに汗が浮かぶ。背筋に冷たいものが走る。
渇いた口で先を促す。
「それで？」
「そ、それで東雲さんがその人を見たしゅ」
「結良がいるの？！」
「ひゃ、ひゃいっ」
突然出てきた結良の名前に叶羽がくいつく。
体育館にいるのは十中八九
だからこそ、嫌な予感が消えない。
叶羽は焦ったように谷地さんの肩を掴んで揺らす。
「それで、そいつは誰？！ なんて名乗った？！」
「ちょ、ちょっと」
「落ち着け」
がくがくと揺らすがために顔を真っ青にして話せない谷地さん。
それを見た潔子さんが間に入り、チカちゃんがとめた。
谷地さんは潔子さんに支えながら教えてくれた。
「た、確か『早乙女檸』って」
それを聞いた瞬間、私は食堂を飛び出した。
確信していたのだから。
自分の名前が出たのだから。
すぐに飛び出せば良かったかもしれない。
でも、まだ恐怖が勝って動けなかった。
けど、そんなの言ってられない。
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星蛍(プロフ) - ゆっぴぃさん» ありがとうございます！来年１月からハイキューが始まると聞いて最近更新を頑張っている次第です笑 パスワードにつきましてはこちらのミスです。すみません！！今日中に解除します！！ (2019年11月19日 11時) (
レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 猪絢さん» ありがとうございます！パスワードは解除したつもりでした。すみません！！今日中に解除しておきます！！ (2019年11月19日 11時) (レス) id: b5b09ffd1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆっぴぃ(プロフ) - 凄い面白くて毎回更新楽しみにしています。7章はパスかかってるので見れないのが悲しいです。近々見れるようになりますか？早く続き読みたいです。 (2019年11月19日 10時) (レス) id: 3c7526cd22 (このIDを非表示/違反報告)
猪絢(プロフ) - 面白くて読み込んじゃいました！7章パスワードかかってた見れないのですがまだ書き途中だったりするのでしょうか…？ (2019年11月19日 1時) (レス) id: 262406d3d0 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 杏樹さん» それは良かったです！ありがとうございます(^-^) (2019年11月18日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 x他1人 | 作成日時：2016年1月8日 20時
