【HQ】烏に紛れている鷹 part5【烏野】

＊223話「過去編〜千鳥山中“鷹の目の姫君”！！〜」 ページ49

話は飛び、全国大会決勝


後輩の完璧なレシーブ


「ライト！！」

「真赭さんっ！」


スパンッと、真赭さんがブロックの間を打ちぬく


「ナイストース！」

「ナイスキーです」


その日はいつもより調子が良かった。

みんなの調子も良くて、むしろ試合が進むにつれて
どんどんキレが増していくように思えた。

ボールと手が一体になっているような感覚。
まるで溶け込むような感覚に、てのひらをじっと見つめては口角をあげた。



あと一点で千鳥山の勝ち。


「A、ナイッサー！」

「っは！」


リベロめがけてサーブを打つ。
トスから手ごたえを感じたサーブは、リベロの真正面かと思いきや、
取る手前で変化し、レシーブを乱した。


「カウンター！！」


返ってきたボールを藍さんが丁寧に私のところへボールをあげる。
四人が同時に動き出す
誰が打つかは言わなくてもわかる

すっと寸分の狂いもなくてのひらに収まったボールが綺麗な弧を描いてエースにあがる。

その瞬間、打ってもいないのに思った。
たぶん、私だけじゃなく全員。


((((決まるっ！))))


無駄のない、良い助走からのバネを活かしたジャンプ


「っらあああぁぁぁ！！！」


結良の打ったスパイクはストレート。
ブロックと後ろのレシーバーの間に決まった。


ピッピーーーーー！！


試合終了のホイッスルが鳴った。


「「「「いやったぁぁぁ！！！！！」」」」


それが千鳥山、全国優勝二連覇達成の瞬間だった……。







その日、私と真赭さんは
それぞれ全国ベストセッター賞、ミドルブロッカー賞を受賞した。


受け取った盾はとても重みがあったけど、それ以上に嬉しかった。
語彙力が散漫してしまうくらい嬉しい、しか出てこなかった。



______「鷹の目の姫君！！」


______「理想のセッター像！！」



みんなの力をうまく生かしていた私の実力がやっと認められた瞬間だったから


私はこの日を忘れない

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