＊221話「結良と叶羽」弧爪side ページ47
さわさわと葉っぱの擦れる音が耳に届く。
Aの長い髪もふわふわと揺れた。
「叶羽はさ……えっと背が私くらいで髪の長い子」
「あー……」
名前を聞いてもわからなかったので、思わず眉根を寄せたら
気づいたらしいAが補足してくれた。
「叶羽はね、元々周りをよく見ててちょっとした変化に機敏だった」
「うん……」
「だから、抱え込み過ぎてたり悩み過ぎていたりするとすぐに気づいてくれた」
「うん……」
「話すのが苦手な私の言葉もゆっくり待ってくれてね」
顔の前に来た横の髪を一束とって耳にかけたA。
その仕草に場違いながら心臓が脈打つ。
すぐにクロの女装姿を頭に思い浮かべて落ち着かせたけど……。
Aは相変わらず外を見たまま話を続ける。
「結良……背が高くて髪の短い子ね」
「あ、うん」
流石にどっちかわかったけど、話を中断させないために何も言わないでおく。
「あいつはさ、すぐ怒るかと思えば、すぐに機嫌直すし、
喜怒哀楽が激しくて」
「……」
「曲がったことが嫌いだから、物事もはっきり言ってた。
例え相手が上級生だろうと」
さっきよりも砕けた言い方に彼女との信頼度が伺えた。
「アホっぽいのに頭いいし、運動はもちろん、裁縫とかピアノとかもできた」
「すごいね……」
「うん。うん、すごいんだよ……」
まるで自分に言い聞かせるかのような声色に心配になり、手を伸ばす。
そのとき、一際強い風が吹き、それも阻まれてしまう。
前髪が乱れ、目に入ったので適当に整える。
Aは手櫛で丁寧に整えていると、ふと動きを止めて言葉を紡いだ。
「……羨ましかった」
「え……」
「羨ましかったの……」
中途半端にひっかけた髪をぎゅっと掴んだかと思えば、
苦しそうに顔を歪めた彼女。
息が荒くなるAの両肩を掴んで、落ち着かせる。
「A、しっかり」
「っ、はっ、う……」
はふはふと忙しいが落ち着かせる彼女。
その姿を見て、過去の件だけで拗れたのではないとなんとなくわかった……。
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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています！ p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました！ そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (
レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます！！更新頑張ります！ (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです！続き楽しみにしてます！ (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 x他1人 | 作成日時：2015年11月9日 21時
