*208話「過去編〜厄介人とプライド〜」 ページ34
あの一件以来、一つ変わったことがあった。
いや、一つじゃなくて二つか?
「Aちゃーん!!」
「わっ、せ、雪椛先輩……」
何故か雪椛先輩によく抱きつかれるようになったこと。
初対面時から抱きついてきた人だったから、
今更驚くことでもないかもしれないけど……。
元よりスキンシップが得意じゃないだけに戸惑った。
でも、もう一つは私にとってはありがたいことだった。
「……雪椛、さん」
「んー? A、どしたー?」
「い、今の攻撃なんですけど……」
「あ、今のはね___」
同じセッターとしてよくアドバイスをしてくれるようになったこと。
まあ、私が聞きに行っているのだが懇切丁寧に教えてくれた。
口下手な私の言葉を最後まで待って話を聞いてくれるだけではなく、
不器用なため一つ覚えるのに時間がかかる私を
面倒くさがらずに最後まで付き合ってくれた。
それを見る真赭さんと藍さんの目はなんか暖かかった気がした……。
だが、こんな風に変わったこともあれば変わらないこともある。
「そこ、何止まってるの!!」
「練習中に私語するなんて随分余裕だこと」
相変わらず、先輩たちは私に厳しかった。
むしろ、前より厳しくなっていた。
それもそのはず。
雪椛先輩は気難しく、厄介な先輩たちから
唯一好かれている、お気に入りだった……。
だから、凡人でこれといって大した実力もない私が
雪椛先輩といるのが気に食わなかったらしい。
でも、雪椛先輩は私がプレー以外でも
悪口を言われるようになり、落ち込んでいると
「気にする必要ないわ。毎日人を蔑むことしかできない
暇人のいうことなんて聞き流せばいいのよ」
といって、頭を撫でて慰めてくれた。
私はそんな雪椛先輩の手が大好きだった。
というより、佐伯雪椛という人が大好きだった。
憧れだった。
だから、あんな事件が起きて私が償うのは当然だった……。
*209話「過去編〜大雪日と鮮血の赤〜」→←*207話「過去編〜厄介人とプライド〜」
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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています! p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました! そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます!!更新頑張ります! (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 x他1人 | 作成日時:2015年11月9日 21時