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*204話「過去編〜千鳥の実力〜」 ページ30

休憩中、ずっと話しかけてくれた三人の先輩方。

結良も叶羽も楽しそうに会話をしていて、
私も噛みながらもなんとか会話を成り立たせていた。

穏やかな雰囲気。
だが、私はずっと気づいていた。
二つ上の先輩たちが、冷たい目で私たちを見ていたことを……。



休憩が終わり、試合が再開されるとき、宇佐美さんが唐突に言った。


「せっかくバレーシューズ履いてるんだし、混ざってみよっか」

「え……」

「いいんですかっ?」


その言葉に固まる私とは反対に、
嬉しそうに宇佐美さんに顔をよせる結良。

結良の近さに苦笑しながら、宇佐美さんは先輩たちに聞く。


「いいね?」

「全然オッケーです」

「いつもと違う試合展開になって面白そうだしねえ」

「あたしたちは構いません。けど……」


雪椛先輩と藍さんは満面の笑みで承諾してくれた。
真赭さんも笑っていたが、ふと言葉を切って二つ上の先輩たちを見た。

先輩方はいかにも嫌そうな顔をしながら、


「いいですよ」


とぶっきらぼうに言った。

その姿が、親戚の人たちに似ていて思わず、結良の服の裾を掴んだら、
何を勘違いしたのか彼女は私のその手をとって上下に振った。


「A、頑張ろっ」

「う、うん……」


すっかりテンションがあがってしまっている結良。
それに押されてつい頷いてしまった。

宇佐美さんは満足そうに私たちを見ると、チーム分けをしていく。


「んじゃあ、AちゃんはAチーム。
結良ちゃんはBチームね」


Aチームには真赭さんと藍さんがいてほっとした。
そして、Bチームには雪椛先輩がいた……。

彼女はネット越しに私と目が合うと、不敵に微笑んだ。
そして数プレーで私は彼女のプレーに魅了された……。

*205話「過去編〜千鳥の実力〜」→←*203話「過去編〜千鳥の実力〜」



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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています! p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました! そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます!!更新頑張ります! (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 x他1人 | 作成日時:2015年11月9日 21時

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