*198話「過去編〜始まりの1ページ〜」 ページ24
謝った結良に対して彼女はまじまじと私達を見たかと思ったら、
自己紹介を始めた。
私と叶羽は「はあ……」と困惑していた。
結良は珍しく、厳しい顔つきをして私たちを守るように女性と向き合っていた。
結良の行動の意味もわからず、私たちは首をかしげていたが、
宇佐美さんが続けた言葉を聞き、結良の行動の意味を理解した。
「あなたが
で、後ろにいる深緑の髪の子が
隣の黒髪の子が
会えてこうえ」
「A、カナ、走れっ」
結良の掛け声とともに、一気に走る私達。
そんな私たちを見て、焦ったように宇佐美さんも追いかけてきた。
「ちょ、ちょっと、待ってよ。話があるのっ」
「うるさいっ。誘拐犯っ。その手にはのらないかんなっ」
「誘拐犯?!」
誘拐犯と勘違いされて、目を丸くする彼女。
そりゃね、初対面でしかも見ず知らずの人に名前を言い当てられたら
誰だってそうなるじゃん?
何しろまだ小学生だったし……。
慣れた通学路を全力疾走で駆ける私達。
後方で、宇佐美さんが何か叫んでいたが、関係なかった。
ただひたすら足を動かしていた。
だが、元より体力がなく、私達三人の中では
一番足が遅い叶羽のスピードが徐々に落ちてきた。
見兼ねた結良が彼女の手をとり、引っ張ろうとしたが、
いきなりスピードアップしたもんだから叶羽は、足がもつれて転んでしまった。
「わっ」
「叶羽っ」
ずしゃあっと派手に転んだ叶羽の側へ慌てて向かう。
彼女に手をかすも、膝や肘を盛大に擦りむいてしまい、
とても走れる状態じゃなかった。
よほど痛かったのか、本来涙腺が緩い彼女は涙をためていた。
とりあえず、手当てをしなければと立ち上がらせたとき、影がおちた。
はっとして振り向けば、額に汗をにじませた宇佐美さんがいた……。
「あ、あんたたち、足早いねえ」
とかいいつつ、彼女の息は切れていなかった。
絶体絶命の状況に、ごくりと唾を飲み込む。
だが、彼女の行動は私たちの予想に反するものだった。
「あなたたち、千鳥山に来ない?」
「はあっ?」
「え……?」
「……」
三種三様の反応をする私たちをみて、宇佐美さんはにっこりほほ笑んだ。
*199話「過去編〜始まりの1ページ〜」→←*197話「過去編〜始まりの1ページ〜」
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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています! p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました! そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます!!更新頑張ります! (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 x他1人 | 作成日時:2015年11月9日 21時