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*196話「そんな趣味はない」黒尾side ページ22

「なななっ」

「……何してんだ」


自主練を終えて食堂へ向かうと、
宮瀬の前に正座させられているJK二人とその後ろで苦笑している真赭。

困り顔で見ている澤村に聞くと、頬をかきながら教えてくれた。


「髪が短い方が東雲結良(しののめゆら)
髪の長い方が漆原叶羽(うるしはらかなは)
大和の中学のチームメイトだそうだ」

「あ、じゃあ、向日さんたちの後輩ですか?」

「ああ」

「なのに、なんで藍は怒ってるんだ?」


二人の前で椅子に座り足を組む姿はさながら女帝のようであり、
いつもと違う雰囲気の彼女に木兎は怖がるように俺にしがみつく。

いや、なんで?


「ちょっとさっきいろいろあってな」

「……大和とですか?」

「まあ、な」


赤葦も別段引きはがすわけでもなく、澤村と話す。
だから、なんで?

男にしがみつかれる趣味はないと、引きはがそうとしたとき、
頃合いを見計らったのか真赭が宮瀬に声をかける。


「藍、そんくらいにしとけ」

「……」


いかにも不服そうな顔でそっぽ向く宮瀬。
そんな彼女を見て真赭は苦笑し、振り向く。

そのとき、初めて俺たちがいることに気づいたらしく目を丸くする。


「何やってんだ、木兎」

「え、何々二人ってそういう関係だったの? やっぱりぃ」

「ちっげえわっ」

「ぐえっ」


こちらに話しかけたことにより、
宮瀬も俺たちに気づき途端に厭らしい笑みを浮かべた。

どうせ碌でもないことを思いついたのだろうと、身構えていれば案の定。

からかいのネタにされる前に木兎を引きはがし、否定する。
つか、なんだやっぱりって。


真赭は通常運転に戻った宮瀬に呆れるも、す
ぐに真剣な顔をし、目の前の二人に話しかける。


「そろそろ話してもらおうか、私たちが卒業したあと何があったのかを」


その言葉に、烏野に緊張が走った。

*197話「過去編〜始まりの1ページ〜」→←*195話「追いかけてきたのは」



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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています! p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました! そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます!!更新頑張ります! (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 x他1人 | 作成日時:2015年11月9日 21時

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