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*188話「目につく姿」 ページ14

新しい速攻。
ジャンプサーブ。
シンクロ攻撃。

各々がこれからのために武器を磨いている。

まだまだ形どころか、輪郭にもなっていないが
みんな勝つために進化の道を進み始めていた……。


「へえ、いいじゃん」

「真赭さん」


いつの間にか隣に来ていた真赭さんに会釈する。

そして、もう一人の人物を探すが……。


「藍なら午後に来るとよ」

「え……?」

「あいつはマネージャーじゃないし、
音駒みたいにマネ不足ってわけじゃないからな」


考えていることはお見通しらしく、コートに目を向けながら教えてくれた。


「でも、来るんですね。自費でですか?」

「ああ。まあ、大学見学も兼ねてるらしい」

「なるほど……」


翔ちゃんの速攻を見ては「あとボール一個分だな」と言ったり、
旭さんのジャンプサーブを見ては「今のはトスが悪いな」と言ったり、
冷静に分析をする、先輩。

音駒の方を伺えば、仕事は済ませているらしく黒尾さんも彼女に何も言わない。

ふと、木兎さんが二枚ブロックを打ち抜く。


「……なんか掴めないな」

「つかめない?」


怪訝に言う先輩の視線の先には蛍君がいた。


「ああ。負けず嫌いなのに、頑張るところに線を引いている感じ?
なんつーか……」

「……目指しているものがない?」

「あー、うーん。それもあるけど、なんか……」


あーだの、うーだの言葉を捻り出そうとしている先輩。

今ので梟谷が25点とったため、今日の所詮は見事な惨敗で終わった。
だが、みんな試したいことを試しているため、そこまで落ち込んではいなかった。
むしろ、燃えているように見えた。

だからだろうか……。
彼がやたらに目についてしまうのは……。

一人、飄々としている彼。

その姿に、このままではそうなってしまうであろう未来が見え、
今の自分と重なる……。


「置いて行かれるのは……」


とっても、辛いよ……。

*189話「二年生の絆」→←*187話「誤差の範囲」



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星蛍(プロフ) - 麗さん» 視点のほうは自分でも常々思っていたので、今目次のほうに表示するように付け加えています! p.43の件は言わんとしていることはちゃんと伝わりました! そうですね。書き直しておきます。 (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 43ページ はそれぞれ の後の ウイングスパイカー と ベストセッター 書く順番逆の方がお話の流れ的にしっくり来ると思います。 夢主がセッターなのに ウイングスパイカー に思えてしまうので、、、、 上手く伝えられなくてすみません (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 一気にお話を読んでいる途中なのですが、夢主視点じゃない時、誰視点なのか分かりづらくて読みづらいなと感じてしまいます。 (2020年11月12日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 紫野さん» ありがとうございます!!更新頑張ります! (2015年12月31日 12時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
紫野 - 面白いです!続き楽しみにしてます! (2015年12月31日 12時) (携帯から) (レス) id: 5ae5725b61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星蛍 x他1人 | 作成日時:2015年11月9日 21時

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