*150話「焦る距離」菅原side ページ18
練習後、部室で正座して各々の勉強を進める四人。
声に出して覚えようとしている西谷と田中。
その後ろには、定規を手に腕を組んで見張っている縁下と
レベルの低さに呆れるAがいる。
「元素記号とか、一年でやらなかった?」
「こいつらだぞ?」
「ですよね……」
はあ、とため息をつく二人に苦笑する。
「そっちはどう?」
「まあ、ぼちぼち」
一年の方では、椅子を机代わりにして黙々とペンを走らせる日向と影山。
その椅子の背に寄りかかりながら監視する月島と横から見守る山口。
ふと、何か行き詰ったのか手が止まった日向に
Aが側にいき、教える。
「これはね、こうで___」
「あ、なるほど!!」
「ちょっと、Aさん、甘やかさないで」
さりげなく日向からAを遠ざける月島。
それを見て、ぴくりと指が動いた。
「いいじゃない。行き詰ってたんだし」
「考えさせなきゃ意味ないです」
勉強の邪魔にならない声量で話すのはわかる。
だが、そんなに近い距離で話す必要はなくないか?!
二人のあまりにも近い距離に、
今すぐ二人の間に入り、Aを引き寄せそうになる自分を抑える。
だが、表情には出ていたらしく、
大地が苦笑し、旭がはらはらしている。
「スガ、焦りすぎ」
「そりゃ、焦るだろ」
でも、顔に出たんじゃ後輩たちも気にするなと思い、
深呼吸をして落ち着かせる。
ああ、落ち着かない。
最近まで一番とは言わないまでも、縁下の次に仲が良い自信があった。
幼馴染には敵わないが、
同中の西谷より距離を深めたことが嬉しかった。
それが、まだ出会って間もない一年に……。
ギュウッと眉間によった皺をほぐしながら、
ドロドロとした嫉妬を抑える。
A……。
俺にも分けてよ。
お前が抱えている
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星蛍(プロフ) - 麗さん» コメントがすっかり遅くなってしまい、申し訳ありません。そうですね。検討しておきます! (2020年11月22日 14時) (レス) id: 1ee6b4a9bd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ こっちゃん とあだ名?で呼ばれていますが、これは固定なのでしょうか? 名前変換出来るのにあだ名だけが固定だと不自然に感じます。 固定の名字から取るなら分かるのですが変換出来る名前から取ったあだ名だと違和感あります。 (2020年11月12日 19時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - ムーンさん» すみません!!変換機能をオンにするの忘れてました。直したので、名前変換できると思います。 (2019年2月25日 17時) (レス) id: 4856ab23f3 (このIDを非表示/違反報告)
ムーン(プロフ) - 名前がずっと古都となっているのですが変換はできないのですか? (2019年2月24日 22時) (レス) id: dbcb69aa60 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 夢花 (仮垢)さん» 返信遅れてすみません!! ほめ言葉として受けとります笑 ありがとうございます! (2019年2月22日 18時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2015年10月14日 20時