＊121話「誰だって思うこと」 ページ37
驚いて顔をあげる孝先輩。
自分でも大きな声が出たなあと驚く。
「……A？」
「いや、だって……当たり前じゃないですか」
どことなく緊張感が漂い、身を強張らせながら言葉を紡ぐ。
「選手なら試合に出たいのは当たり前です。三年生なら尚更」
だって、私もそうだった。
三年生だからっていうのもあったけど、中学最後の大会で
今まで一緒に頑張ってきた仲間と、友達と最高の試合をしたい
そして一回でも多く勝ちたい
ずっとそう思っていた。
「例え、自分がチームにとって最善の方法だと思って退いたとしても
試合に一回でも多く出て、みんなと勝ちたいと思うのは当たり前のことじゃないですか。
というか、むしろ勝利のためだとわかってもスタメンを譲る人なんて
私見たことないですし、会ったこともないです」
誰だって、
それがベストだと思ってスタメンを譲る人なんていない。
わかってても自分が、と思ってしまう。
三年生だから自分が出たい、と思ってしまう。
どうしても人はちっぽけなプライドで、選択を誤る。
私も……孝先輩みたいにしていれば
「A？」
「あ、いえ」
いけない。昔に意識が飛んでいた。
話しながら、また私たちは階段を上り始める。
「孝先輩は考えすぎなんですよ」
「あははは」
「笑い事じゃないです。
少しは自分を優先してもいいと思います」
愚痴とか、今みたいな本音も私が聞く。
聞きますから。
だから、
「我慢しないで……」
そういえば、孝先輩はどこか嬉しそうに笑った。
その笑顔は私の大好きな笑顔で、
やっと見せてくれたことに嬉しく思っていた。
けど、
「A、今までありがとうな」
その言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になった。
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星蛍(プロフ) - 琴音さん» あちゃー。やっぱりありましたか(汗)。すみませんが、書き方の統一を優先しているので、シリーズが完結次第、誤字修正をしていきます。教えたくださり、ありがとうございます。 (2019年4月1日 20時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
琴音(プロフ) - いっぱい間違えてますね。月バリが月バレとか月バスになってたり、聞いてきたが聞いて生きたとか、久藤が久遠だったりまだまだありますけどw (2019年3月31日 17時) (レス) id: f776e23ba8 (このIDを非表示/違反報告)
☆慧琉☆@スガさん愛しすぎてﾀﾋぬ←w(プロフ) - 正しくはコンクリート出身、日向翔陽です。貴方をぶっ倒して全国へ行きます。だったような… (2016年7月5日 22時) (レス) id: 2223b2c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2015年3月22日 17時
