*42話「有名人......?」月島side ページ44
「えっ、な……どっ?」
「落ち着け」
動揺しているのか言葉にならない声を発する大和さん。
それを近くで見守っていた縁下さんが肩に手を置く。
影山はそんな大和さんを不思議そうに見る。
「影山、何で知ってるんだ?」
「中学の頃、表彰式で見たことがある」
ゴンッ、とすごい音を響かせながら
大和さんが頭を横の壁にぶつけた。
というより、倒れてぶつけたが正しいか。
なかなかに派手な音だったので、
先輩たちがぎょっとしてこちらを振り返る。
「どうしたA!?」
「眠いのか?!」
「……だいじょうぶです」
声ちっさ……。
もとから大きな声ではないが、
今にも消え入りそうな声に心配しかない。
でも、確かに初めて会った時から覚えのある名前だとは思っていた。
いつ聞いたんだっけ、と中学の時を思い返していると、
田中さんが寝転がって見ていた月バリの表紙が目に入った。
『スパイカーの100%を引き出す
千鳥山の鷹の目の姫君』
てかでかと書かれたその文字に、
トスをあげる瞬間を切り抜かれた写真。
恐らく選手だった頃だろう。
今みたいに長い髪ではなく、ショートヘアーだが、
確かに大和さんの面影がある。
一言も声を発せず固まっていると、異変に気づいた山口が声をかけた。
だが、それにも反応をしなかったので僕が見ている視線を辿ったらしく、
「えええぇぇぇっ?!」
と、山口が叫んだ。うるさっ。
田中さんはそんな僕らの様子にビビりつつ、なんだなんだと狼狽える。
「ん? あー、これか」
気づいた縁下さんが躊躇なく田中さんから月バリを取り上げる。
それによって、全員が雑誌に釘付けになった。
おぉ、と感嘆しているバレー部を横目に大和さんを盗み見ると......。
え、なにその顔......。
ただでさえ白い顔を青ざめ、土色にし、かたかたと震えていた。
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星蛍(プロフ) - 麗さん» そうですね!! 今、そういった誤字脱字とかを修正しているところです。読みにくいし、この人誰?!っていうのもあるかもですが、何卒ご了承ください。すみません。 (2020年11月12日 8時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 44ページ 「お、俺が呼んでたのにぃ!!」 の 呼んでた は 読んでた ではないのでしょうか?話の流れ的にそうかなと思ったのですが (2020年11月11日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
☆慧琉☆@スガさん愛しすぎてタヒぬ←w(プロフ) - 誤字…ノヤっさん→ノッヤさん、潔子さん→清子さん (2016年7月5日 19時) (レス) id: 2223b2c821 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 抹茶アイスサンドさん» よくよく考えたらどんだけ手が薄いんだって話になりますね!!ありがとうございます (2016年4月2日 11時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶アイスサンド - 32話の厚さ約5mmではなく、約2cmだと思います。 (2016年4月2日 10時) (レス) id: 0e8f4b9561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2014年8月5日 13時