＊23話「見届けなきゃ」 ページ25
下唇を噛み、うつむいていた孝先輩が
ふと肩の力を抜いた。
「俺は、セッターはチームで一番頑丈でなければならない」
「でも、俺は、俺は圧倒的な力の影山の影に隠れて安心、してたんだ」
悔しそうに、もどかしそうに話す孝先輩。
自分自身も
胸がぎゅっと苦しくなる。
「でも、今は......旭っ」
それまで下を向いていた顔をあげ、
強い瞳で旭さんを見る孝先輩。
「もう一度オレにトス上げさせてくれないか？
今度こそお前に負担がかからないようにする」
「スガ……」
迷いのない、強い意思が瞳の奥に見えた。
孝先輩......。
「そういうわけだから、オレはこっちに入るよ。
影山、負けないからな」
「当然っす」
にかりと笑った孝先輩はなんだか前よりも頼もしく見えた。
胸の苦しみが強くなり、今度は私がうつむいてしまう......。
私が知らない間に、みんな変わったなあ。
ちょっと寂しいような気持ちにかられ、
ぼんやり床を見つめていると、
「A」
ふいに名前を呼ばれ、顔をあげると
孝先輩がなぜか目の前にいた。
今から試合じゃ......？
孝先輩の意図がわからず、
首をかしげると孝先輩は真剣な表情で言った。
「俺、春のような試合はしない」
「......はい」
宣言する孝先輩に自然と首が縦に振られる。
「だから......見てて」
「っ……は、いっ」
真剣な表情から一転、これまでにないくらい優しい微笑に息を飲んだ。
なんとか返事をすると、満足そうに頷いて孝先輩はコートに入った。
.
ふうと息を吐きながら目をつぶる。
自分のことはあと
今は......
コートに並んだ孝先輩、旭さん、夕を見る。
うん......見届けなきゃ。
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星蛍(プロフ) - 麗さん» そうですね！！ 今、そういった誤字脱字とかを修正しているところです。読みにくいし、この人誰？！っていうのもあるかもですが、何卒ご了承ください。すみません。 (2020年11月12日 8時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 44ページ 「お、俺が呼んでたのにぃ！！」 の 呼んでた は 読んでた ではないのでしょうか？話の流れ的にそうかなと思ったのですが (2020年11月11日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
☆慧琉☆@スガさん愛しすぎてﾀﾋぬ←w(プロフ) - 誤字…ノヤっさん→ノッヤさん、潔子さん→清子さん (2016年7月5日 19時) (レス) id: 2223b2c821 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 抹茶アイスサンドさん» よくよく考えたらどんだけ手が薄いんだって話になりますね！！ありがとうございます (2016年4月2日 11時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶アイスサンド - ３２話の厚さ約５mmではなく、約２cmだと思います。 (2016年4月2日 10時) (レス) id: 0e8f4b9561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2014年8月5日 13時
