＊9話「緊張」 ページ11
「あの、西谷さん。旭さんって誰ですか？」
それまで和やかだった雰囲気が一転。
日向君の何気ない発言に一気に緊張が走る。
夕は真面目な顔をし、重々しい口を開いた。
「烏野のエースだ。一応な、ったあ！？」
一応という馬鹿の頭をグーで殴る。
何すんだ！ と怒る夕。
はあ、全く......。
「先輩をそういう風に言わない」
「......おう」
……わかってないな。
不貞腐れたように顔を横に向ける夕に、
はぁーとため息が出た。
旭さんは、エースで大黒柱だった。
その旭さんが来なくなったのは春。
ある学校にブロックされ、負けた。
その日から、旭さんは部活に来なくなった。
そして、夕は教頭先生を突き飛ばして停学。
孝先輩も元気がなくなった......。
ちらりと孝先輩を見ると、思い詰めた顔をしていた。
ずきずきと胸が痛くなり、それを誤魔化すように
まだはられたままのネットの結び目をほどく。
「A、俺がやろうか？」
「大丈夫だよ、チカちゃん」
チカちゃんはやめろと苦笑いしながら、
モップをかけるチカちゃん←
いいじゃん、別に。
減るもんでもないのに......。
クスリと笑い、下から順にほどいていく。
だけど、一番上に差し掛かるとギリギリなのも
あり中々ほどけない。
必死に背伸びをするが、辛い体制のせいか疲れてきた。
「かった......」
「代わるぞ？」
「いい。大丈夫だか」
ら、と言おうとして後ろを振り向き絶句する。
チカちゃんだと思ったら、後ろにいたのは
孝先輩だった。
そして、あまりの距離、というか近さに固まる。
「はーい、代わるからなあ」
そっと両肩を優しく押され、我にかえる。
え、私、先輩にタメ口？！
しかも、え、うわ、うわ、うわ？！？！
プチパニックに陥っていると、
ほどき終えた孝先輩が振り返った。
「久しぶりの部活で嬉しいのはわかるけど、
無理なやつは頼りなさーい」
くしゃっと頭を撫でられ、顔が暑くなる。
二、三度頭を撫でると最後にぽんっと手を置き、
腰を屈めて私の目線にあわせた孝先輩。
「わかったか？」
「っ……はい」
クラスメイトの女子がよく騒いでいる、
優し笑顔。
隠していることも何故か見透かしてしまう、
穏やかな瞳。
両手で頬を包み、下を向く。
あっつい......。
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星蛍(プロフ) - 麗さん» そうですね！！ 今、そういった誤字脱字とかを修正しているところです。読みにくいし、この人誰？！っていうのもあるかもですが、何卒ご了承ください。すみません。 (2020年11月12日 8時) (
レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 44ページ 「お、俺が呼んでたのにぃ！！」 の 呼んでた は 読んでた ではないのでしょうか？話の流れ的にそうかなと思ったのですが (2020年11月11日 22時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
☆慧琉☆@スガさん愛しすぎてﾀﾋぬ←w(プロフ) - 誤字…ノヤっさん→ノッヤさん、潔子さん→清子さん (2016年7月5日 19時) (レス) id: 2223b2c821 (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - 抹茶アイスサンドさん» よくよく考えたらどんだけ手が薄いんだって話になりますね！！ありがとうございます (2016年4月2日 11時) (レス) id: 60a59e3ad2 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶アイスサンド - ３２話の厚さ約５mmではなく、約２cmだと思います。 (2016年4月2日 10時) (レス) id: 0e8f4b9561 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星蛍 | 作成日時：2014年8月5日 13時
