【HQ】烏に紛れている鷹【烏野】

＊19話「一番責任感じてる」日向side ページ21

練習試合と聞いて、さっきからワクワクしっぱなしのオレ。


やっべえ、テンション上がる！！
じっとしてられねぇ！！

そわそわしていたとき、ふと旭さんのことを思い出した。


「旭さんが戻ってきたら、菅原さんもノヤッさんも
なんか変わるのかな？」

「知らね」


隣にいた影山に聞けば、即答された。


「旭さんのこと人一倍責任感じるって言ってたけど、
菅原さんもそんな感じじゃね？」

「さぁな、どっちも責任感じてんだろ」


だよなあと思いながら同意していたとき、

次の影山の言葉に自分の耳を疑った。


「一人じゃ勝てるわけないのにな」


なっ、なぁっ？！？！


「お前がそれ言う！！！？」


図星だったのか、言葉をつまらせる影山。
オレはこいつに言われたことを今でも覚えてるぞ、鮮明に！！

声を低くし、表情を仏頂面にして......。


「『トスもレシーブもスパイクも、
全部おれ一人でやれればいいと思ってます』」


どうよ、影山のマネ！！

すると、ふふっと笑う声が聞こえた。


「それ、影山君のマネ？」

「A先輩！ はいっ！」


振り向けば、口許に手を当てて笑うA先輩。

影山は恥ずかしかったのか、顔を赤くしている。


「うるっせぇ！！」

「やれればいいと思ってます」

「うぅらぁぁぁああああ！！！！」


恥ずかしさが極限に達したのか、
影山におもいっきり投げられた。

が、流石オレ！！
綺麗な着地をしてやりましたよ！！←


それを見たA先輩が苦笑しながら「程々にね」
と影山を窘めていた。


「ネットのこっち側はもれなく味方のはずなのに」

「あ"？」

「こっち側がギスギスしてんのは嫌だな......」


元気になってほしいなあ......。

そう思って呟いた言葉に、
小さな同意の声が聞こえた。


「……そうね」


悲しげな、寂しげな、小さな小さな声。
その人はどこか遠くを見つめてそう言った。

A先輩……？

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