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階段を上がりながらも、この最悪な状況を何とかできる方法は無いのか、とレナは必死に頭を回していた。
『(後ろ手に拘束されてはいるけど、靴のヒールでウォッカの足を踏み付ければ隙を作れるし、こんなのは何とでもなる。でも、問題は其処からだ……。)』
ピンガがラムの命令で動いている以上、1人の足を使えなくしても、もう1人が追ってくる。
自分が追われている間に志保が攫われてしまうし、最悪、拳銃で此方の足も使い物にならなくされるかもしれない。
或いは、志保を攫った後で2人もしくは他の仲間を連れて追われるかもしれない。
『(日本の防犯カメラの映像データが集約されている施設に幹部がいる以上、街の防犯カメラに映るのは危険すぎる。でも、八丈島で逃げるにも地理が分からない以上、地図が無ければ歩けない。コンビニも無い八丈島じゃ、この時間でも地図を買えるお店なんて無いだろう。マップアプリって手もあるけど、私のスマホにはピンガが仕掛けたGPSや盗聴アプリが入ってる……。)』
考えれば考えるほど、八方塞がりなこの状況を打破できる策が無くなっていく。
内心焦っているのが後ろの2人に悟られないように平静を装うレナ。
しかし、ウォッカが部屋の扉の前で立ち止まらせたことにより、血の気が引いた。
ウ「……此処だな。」
ピンガを扉の側に移動させると、ウォッカは空いている方の手でフードを被ったままのレナの頭を掴んで扉の方を向かせた。
ウ「おい、ガキの顔はちゃんと見とけよ？なんせ“親友”かもしれねぇんだからよ……。」
そんな悪魔の囁きが聞こえてくる中、目の前の扉が微かに動いた。
それを見たレナが息を呑んだのを見逃さなかったウォッカは頭に置いていた手で今度はレナの口を塞ぐ。
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (
レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優理 | 作成日時：2023年7月26日 18時
