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一通りレナの話を聞いたピンガは目を見開き、怒りに身を任せてレナに掴み掛かりベッドに押さえ込んだ。
グ「……お前、ふざけてんのか?」
『自分達の命が掛かってるのよ?大真面目に決まってるでしょ。』
レナを見下ろしながら吐き捨てるように言うピンガに、レナはあっさりと返す。
『だいたい、私はずっとメインルームにいるわけじゃないから、目を盗んで此処から逃げ出す事なんて、隠し持ってる水上バイクを使えば簡単に出来る。けど、私がそうしたらピンガはどうやってバレないように逃げるの?グレースとして重宝されている以上、メインルームから抜け出すのもあまり出来てないじゃない?そんな状況下なのに、もうすぐレオンハルトの血液検査の結果が出るだろうし、“カップに付いた口紅を拭う”というグレースと同じ仕草をする直美も戻ってくる。流石にグレースの正体まではバレないだろうけど、その2つのピースが揃えば遅かれ早かれグレースが犯人だって事はバレるわ。いい逃走手段が思いつかず、ろくに準備もできない中、どうやって逃げるつもり?』
ピンガに冷静に話すレナ。
しかし、当の本人は彼女を抱きしめ、絞り出したような声で呟いた。
グ「だとしても、少しは自分を大事にしてくれ。」
『本当に死ぬわけじゃ無いんだから大丈夫。それに、私は大事な人を助けたいだけよ。』
レナを抱きしめたまま何も言わなくなったピンガの頭を優しく撫でながら彼を宥める。
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優理 | 作成日時:2023年7月26日 18時