92 ページ43
数十分経つと、Aの部屋にグレースがやってきた。
グ「はぁ……。とりあえず、Aの様子が心配だからって言ってメインルームを抜けてきたけどよ……。」
お前が俺を呼び出すなんて珍しいな、と言いながらも、ピンガはAの部屋のベッドにドカッと腰を下ろした。
『時間も無いようだし、単刀直入に言うわ。そろそろ直美が此処に戻ってくる。』
グ「はぁ!?あの潜水艦から逃げ出したってのか?」
『キールから連絡が届いたわ。どうやら、昨日私達が潜水艦に入った時の方法がバレたみたいね。それと、組織が作戦を最終手段に切り替えたわ。早く此処から出て行かないと、私達まで巻き込まれるわよ。』
グ「フン、此処から逃げ出すってことなら好都合だな。」
ピンガが発した一言にレナは頭の中で無数のハテナマークを浮かべた。
『……どういう事?何か致命的なミスでもしたの?』
グ「カフェで撮った偽動画、奴の姿にしてんのに、いつもの癖でカップの縁に付いた口紅を拭っちまってな。直美が居ねぇ今、あの仕草をするのはグレースだけだから、あの一瞬に気付かれたらすぐにバレちまう……。」
『……なるほど、あの時感じた変な胸騒ぎの正体はそれだったのね……。それなら、尚更早めに此処から出ないといけないわね。』
そう言うと、レナは服のポケットから1台のスマホを取り出した。
142人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優理 | 作成日時:2023年7月26日 18時