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一方、Aはチラリとグレースを見て彼女が他の職員と話している事を確認してから、近くに居るコナンに小声で話し掛けた。
『……ねぇ、コナン君。』
コ「ん?どうしたの、Aさん。」
『その、後でちょっと話したい事が……。』
グ「あら、A?そんなに近い距離で話しちゃって……。小さい子が苦手だったんじゃないの?」
『……ッ!?』
いつの間にか話を終え、音も立てずにAの背後に回っていたグレースが笑顔で話し掛ける。
『そ、それは昔の話だって言ったでしょ?今は何とも……。』
グ「……そうだったかしら?それより、メインルームに戻ってって言われたわ。さっ、一緒に行きましょ?」
そう言うと、ニッコリと笑いながらグレースはAに手を差し伸べる。
そんな彼女とは対照的に、Aは恐る恐る手を重ねた。
ニヤリと口角を上げたグレースはAの手を目一杯自分の方へ引っ張った。
空いている手で彼女の後頭部を引き寄せると、ピンガの声で耳元に囁いた。
グ「……いい情報、ありがとなぁ?レナ様?」
『……ッ!?まさか、聞いてたのね……!?』
愉快そうに発された一言にAは青ざめる。
そんな彼女の様子をクツクツと笑いながら、グレースはAの唇にキスした。
グ「フフッ、気をつけなきゃダメじゃないの?特に此処には、ね……。」
Aの唇を人差し指でなぞりながら意味深な笑みを見せたグレースは、怪訝そうな顔で此方を見ているコナンに声を掛け、一緒にメインルームへと戻っていった。
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優理 | 作成日時:2023年7月26日 18時