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『……今頃メインルームは大騒ぎなのかな〜。』
自分の部屋でベッドに寝転びながら、レナは呑気な声で呟いた。
カフェの清掃をキャンセルにした結果、午後も特にやる事が無い状態になってしまった。
にもかかわらず、午後の業務が始まってからは防犯カメラのループ映像も元に戻されている恐れがあるため、レナは部屋からも動けないでいた。
手持ち無沙汰な状態でベッドで転がっていると、レナのスマホがメッセージを受信した。
『……ピンガから?』
犯行がもうバレたのかと肝を冷やしたレナは起き上がり、届いたそれを速やかに開いた。
それには画像が添付されており、本文には“頼まれてた物”と書かれていた。
『……なんだ、コナン君の“老若認証”の結果ね。』
安堵のため息をこぼしたが、添付された画像を見た瞬間、彼女は目を見開いたまま硬直した。
『……この人って……!?』
其処には工藤新一の写真と江戸川コナンの写真が“老若認証 一致”の文字と共にあった。
『じゃあ、やっぱりコナン君と工藤新一は同一人物なのね……。……あれ?メッセージに続きが……!?』
“コイツってジンの野郎が始末したはずだよな?”
『……どうしてピンガがその事を知ってるの?ピンガはその頃アジトに居なかったはず……!?』
そんな独り言を呟いていたが、レナは慌ててスマホをベッドの上に投げると両手で口を覆った。
自分のスマホにはピンガが仕込んだ盗聴アプリがある事をすっかり忘れていたのだ。
『(……まずい、この情報はピンガがジンを蹴落とすには十分すぎる物。ジンは“バラした奴の顔と名前は忘れるようにしている”って言ってたけど、“老若認証”の結果なんて動かぬ証拠がある以上、この件に関してはピンガの方が有利になる。)』
レナの頭の中では、高い位置に居るピンガが低い位置に居るジンに踏ん反り返っている映像が再生されていた。
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優理 | 作成日時:2023年7月26日 18時