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抑揚を付けずにそう言うと、Aは不敵な笑みをレオンハルトに向ける。
自分の放った嫌味を挑発で返されたレオンハルトは逆上し、目の前のAに掴み掛かろうと距離を詰めた。
Aは待ってましたと言わんばかりに口角を上げてレオンハルトの突撃をいなすと、彼の顎先に向けて掌底突きをお見舞いした。
攻撃を受けてよろけるレオンハルトの腕を掴むと、容赦なくグレースのベッドに投げ飛ばす。
薄らと目を開け此方に手を伸ばすレオンハルトに人差し指を向けながら、Aは笑顔で彼に手を振った。
『Have a nightmare!』
次の瞬間、側で見ていたグレースがニヤリと笑って動き出し、レオンハルトの口元を持っていた布で押さえ込んだ。
少しの抵抗を見せた後、彼は眠ってしまった。
『……それで？コイツはどうするの？』
深く息を吐きながら少し乱れた髪を直したレナがピンガに訊く。
グ「レナ用の麻酔薬使ったからしばらくは起きねぇけど、バレちまったからには始末しねぇとなぁ。」
『なら、両手足縛ったうえに重りを付けて海に放り込む？ドライデッキに置いておけば海中ハッチを開けるだけでいいし、アリバイ工作も簡単に出来る。』
後は黒潮が運んでくれるから発見されるまでの時間も稼げるし、とレナは説明するが、ピンガは他の案を思いついたようだった。
グ「……いや、直美の拉致を手引きしたのも防犯カメラの改ざんも全てコイツの仕業ってことにしようぜ。」
『へぇ、なかなか面白いわね。他の人を信じさせるための偽の告白文くらいなら、英語で作っておくけど、肝心の始末の方はどうするの？』
グ「簡単な毒物の調合なら、この部屋にある物でも出来るぜ。ただ、問題はエーテルの臭いだな……。」
シンナーのような独特な臭いをどう消すかを悩むピンガに、レナはこの後清掃に行く場所を提案した。
『なら、カフェを使う？この後は定例の清掃時間で誰も来ないから犯行にはうってつけの場所だし、防犯カメラを少しいじれば私達がやったという証拠も消せるし、コーヒーの匂いならエーテルの臭いも誤魔化せる。それに、何を訊かれても、貴方の手札には“ジョーカー”が残ってるでしょ？』
グ「“嘘が得意な清掃員様”とやりたい放題できるってワケだな。」
大方の流れが決まり2人はニヤリと笑い合うと、レナは偽りの告白文の作成と清掃員に扮する準備に、ピンガは毒物の調合と偽動画の作成の準備に、各々動き出した。
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (
レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優理 | 作成日時：2023年7月26日 18時
