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『……“彼”が来たみたいね。』
グ「あぁ。頼めるか？」
『フフッ、本職に任せなさいって。そっちも準備してて？』
そう言うと、レナは扉の近くまで歩きながらAの口調でグレースに声を掛けた。
『それじゃ、私は準備しに部屋に戻るけど、午後の仕事サボっちゃダメだからね、グレース？』
グ「もう、分かってるわよ。行ってらっしゃい！」
上機嫌な声色で返ってきた一言を聞き、Aはグレースの部屋の扉を開けた。
そして、目の前で仁王立ちしている男に驚いてみせた。
『……レ、レオンハルト。どうして此処に？』
此処グレースの部屋だけど、とAが言う前に、レオンハルトはAの腕を掴み、彼女を引きずりながらグレースの部屋に強引に押し入った。
『ちょっ、何するのよ!？放して!？』
レ「お前も証人として此処に居ろ！」
『はぁ？エンジニア同士の話なんて私に分かるわけないでしょ!？』
Aは珍しく声を荒げた。
そんな彼女の姿に驚いたかのように、グレースはAの名を呼んだ。
グレースの声を聞いたAが少し落ち着きを取り戻すと、レオンハルトは舌打ちしながら話し始めた。
レ「書き換えられた防犯カメラの映像、あれはどういうことだ！」
荒い口調で問い詰められても、グレースは一切動じず、沈黙を貫いた。
レ「なんとか言ったらどうなんだ！あのログは昨夜お前がメインルームに居た時の……。」
Aは苛立ち始めたレオンハルトの陰からグレースの動向を窺っていた。
彼女が背後で机にあった小瓶と布を隠し持っている事に気付くと、レオンハルトの話を遮るように彼に声を掛けた。
『……ねぇ、レオンハルト。』
レ「あ？」
『そのログは本当に彼女の、グレースの物だったの？』
レ「あぁ、そうだ！つっても、システム関係に疎いお前じゃ、分からねぇだろうがな。」
『そう……。それは残念だわ……。』
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (
レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優理 | 作成日時：2023年7月26日 18時
