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『そういえば、さっきは“1人は寂しいから部屋に来て”ってニュアンスだったけど、あれの真意は何なのかしら？』
グ「単純に話がしたかっただけだよ。昨日はお前が疲れてそうだったし、今後の状況によってはこうやって会って話すのも頻繁には出来なくなりそうだしな。」
『そうね、防犯カメラの改ざんもバレたし。後は直美が組織の手に堕ちれば、私達の潜入もほぼ終わりね……。』
そう言いながらも、レナはシンプルな家具で揃えられたグレースの部屋を見回す。
すると、本が並べられた机の端に1つの小瓶が置いてある事に気付いた。
机に近付いて小瓶を手に取ると、ピンガにこれが何かを訊いた。
グ「あんま嗅ごうとするなよ？それ、昨日お前用に作った麻酔薬だからな。」
『作った、って嘘でしょ……。いつそんなの覚えたのよ……。』
グ「薬類効かねぇレナ相手だから、一般人には絶対に使えない代物だぜ。」
これ使っても眠るまでにあんなに時間かかるとは思わなかったけどな、とピンガは苦笑するが、レナは真面目な口調で話し掛けた。
『……まさかとは思うけど、昨日の女の子には使ってないわよね？』
グ「当たり前だろ？あんな子供に使ったら最悪1週間は起きねぇかもな。」
そんな恐ろしい薬を志保相手に使われなかったという事にレナはホッと胸を撫で下ろす。
グ「そういや、こっちも訊きたいことがあんだけどよ……。」
『ん？何かしら？』
グ「潜水艦で言ってた“水上バイク”ってのは何だ？」
『あぁ、あれね。此処を抜け出す度に海に潜るのが嫌でね。ちょうど水上バイクは趣味で持ってたし、それで八丈小島まで行って潜水艦と合流してたのよ。八丈小島は無人島だから、浜辺に水上バイクを隠して潜水艦を待っていても、住民に見つかって通報されるなんて心配も無かったし。』
私の部屋の壁際に置いてあったでしょ？と訊けば、あれ本物だったのかよ、とピンガは驚いていた。
『まあ、ドイツ行った時は元々休暇申請を入れてたから、船で八丈島まで戻ったけどね。』
お互いに聞けていなかった話が終わると、レナのスマホのアラームが鳴った。
『……あら、もうそんな時間？そろそろ準備しに戻らないとね……？』
その瞬間、部屋の向こうにある通路から微かに足音が聞こえ、レナはニヤリと口角を上げた。
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (
レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優理 | 作成日時：2023年7月26日 18時
