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『……ほんとに先に寝てていいの？』
深夜だというのに変装し始めたピンガを見て、レナは訊いた。
シャワーやレナの手や腕の傷の手当てを終えた後、レナを自分のベッドに寝かせると、ピンガは“予定外の拉致”の証拠を隠滅するため、再びメインルームへと戻ろうと準備していたのだった。
ピ「レナが一緒に来たとしても、何をどうしてんのかよく分かんねぇだろ？」
レナはシステム関係には疎いんだし、とメイクの手を止めずに言うピンガ。
『それはそうだけど……。』
ピ「それとも、俺の添い寝がないと寝れねぇか？」
鏡越しにニヤリと笑いながら訊いてくるピンガにレナは真っ赤になりながらも、そんなわけないでしょ！と声をあげた。
ピ「フッ、大丈夫だって。防犯カメラの改ざんと別件1つ片付けたらすぐ戻ってくるからよ。だから、心優しいレナ様はゆっくり休んでろ。」
『……心優しい、か。』
ピ「あぁ。俺が傷付かないように自分からエーテル吸い込むとか、眠らされて嫌な任務に連れて行かれても俺に文句の1つも言わねぇんだからな。」
そう言うと、メイクが終わったのか使った道具を片付けていく。
そんな様子を見たレナは静かにベッドから下りると、ピンガの背中に抱きついた。
『……だって、あの時私の部屋に来たのはピンガの本意じゃなくてラムの命令だって事くらいすぐに分かったもん。』
後ろからピンガの首に顔を埋めながら話すレナの頭を、ピンガは優しく撫でる。
手触りいいな、と呟きながらゆっくりと撫でていくピンガ。
そんな彼の手に安心したのか、レナの瞼が徐々に落ちていった。
『……ぴん、がぁ……。さっきの、“別件”って……なぁに？』
ピ「そんなフニャフニャな状態のレナに話しても、どうせ覚えてらんねぇだろ。まぁ、明日になりゃ分かることだから、今は休んどけ、な？」
完全に眠りに落ちたのか、レナの頭がコテンとピンガの肩に触れる。
時折首筋に掛かるレナの寝息に微笑むと、ピンガは彼女を抱き上げてベッドへ寝かせた。
ピ「……流石に疲れたか。……おやすみ。」
レナのあどけない寝顔にキスを落とす。
レナの肌に薄らと移ってしまった口紅に親指を滑らせると、ピンガはグレースの眼鏡を掛けて、部屋を後にした。
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ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (
レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優理 | 作成日時：2023年7月26日 18時
