68 ページ19
部屋の電気を付けると、ピンガは着ていたジャケットを脱ぎ、ソファーの背もたれに掛けた。
ピ「……けどよ、なんか納得いかねぇな……。」
『ん?何の話?』
ピ「なんとなく、レナの方が俺よりも大人な気がする……。」
ちょっと前まではただのガキだとしか思わなかったのによ、と少しふてくされながらピンガがぼやいた。
そんなピンガの言葉に一瞬キョトンとした顔を見せたレナはあっけらかんと答えた。
『うーん……。多くの人はピンガよりも大人だと思うけど?』
クソが!って言いながら部屋を飛び出していかないし、と冗談混じりに言えば、ピンガの目尻がピクリと動いた。
しかし、そんな様子を知らないレナの足はシャワールームへと向かっていた。
『傷口洗いたいし、シャワー借りるよ?』
その一言を聞いたピンガはニヤリと笑うと、音も立てずにレナの後を着いていった。
レナがこの事に気付いたのはシャワーを浴びようと服を脱ぐ直前だった。
『ちょっと!?なんで着いてきてるの!?』
ピ「俺もシャワー浴びてぇし、お互いの裸なんて見慣れてんだから一緒でいいだろ?」
それに、と言いながら、いつもよりも意地悪な笑みを浮かべるピンガに、嫌な予感がレナの頭をよぎった。
しかし、逃げようとした時には既に遅く、レナは再び背後からピンガの両腕の中に閉じ込められていた。
ピ「レナと違って、俺は“子供”だし、子供が大人と一緒に風呂に入るのは普通の事だよなぁ?」
わざとレナの耳に吐息が掛かるように言えば、レナは真っ赤な顔で暴れだした。
『あーもう、分かったから!一緒に入ればいいんでしょ?さっきの言葉も謝るから!』
焦ったようにそう叫ぶ恋人の姿に、ピンガはクツクツと喉の奥で笑いだす。
そのままレナの真っ赤な頬に軽くキスすると、ピンガは後ろからレナの服を器用に脱がしていった。
142人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ルナ - とっても面白いです。ドキドキしながら見せてもらってます (8月24日 21時) (レス) @page42 id: 63c03aa9bf (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (7月27日 21時) (レス) id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優理 | 作成日時:2023年7月26日 18時