太陽の当たる場所 10

after Dahlia 26 ページ45

ニカのメッセージを眺めながら
ホットミルクを飲んでると
インターホンが鳴る。



え？
こんな時間に？



びっくりしてる私とは対照的に
受話器を取って淡々とやり取りするニカは

「はい、ご苦労さまです！お願いしまーす」

笑顔で返事をしてる。



何だろう？

受話器を置いて振り返るニカは

「ふふふーぅっ」

意味有りげな笑みを浮かべて玄関に行くと
また鳴ったインターホンに対応して。



「Aー、お誕生日おめでとうーっ」



大きな箱を抱えてやって来た。



「え、何コレ」

「んふふふふーっ」



ニカの目の前で開けてくれて
中から出てきたのは

「……コーヒーメーカーだ！」

しかもすごくいいやつ！
電器屋さんで見て気になってたエスプレッソとかも出来るやつだよ、これ！



「A用ね。たまーに俺も使うかもだけど」

「え！え！めっちゃ嬉しい！！」

「あははは！こんなに喜んでもらえると思わなかった」



ニカはニコニコして

「この3つがプレゼントねっ」

って言うから。



電子メモパッドとコーヒーメーカーと…

「3つ？」

あと1つなんだろう？って不思議に思ってると

「あれ？これ気づいてない？」

そう言うニカの視線の先にはカレンダー。
書き込めるタイプのやつにニカの仕事の予定が書き込まれてる。



「また仕事でお休み取れってなった時の目安になるでしょ？」

ニッて笑うニカは

「Aも予定書いてってよ。それ見てご飯一緒に食べられそうな時は早く帰ってくるから」

カウンターのペンを指さす。



…これはいいかも。

確かに私もニカの予定分かってたら
夕飯とかもニカが好きなの作れたり
連休取れって言われた時にニカの休みに合わせられるし。



「お買い物行くとかの伝言はこっち、予定はこっちね」

電子メモパッドとカレンダーを指さして言うニカは

「でもまだ薄暗い時に買い物行くのは禁止ね」

睨みながら口を尖らせて言う。



「大丈夫なのに」

「ダメ。絶対ダメっ。どーしても必要なものあったら起こして。俺が買いに行く」



ニカは言うけど。



いざ起こしたら多分怒る。

試しに今度休みの日にやってみよう、なんて思う。



「あ、お互い忙しい時に買ってきて欲しいものここに書くのもアリだよね」

「あはは！確かに！めちゃくちゃ便利かも」



笑うニカは優しい顔をして

「…お誕生日おめでとう、A」

改めて言ってくる。



「ありがとう、ニカ」

「ん」



ニカからのプレゼント、
どれも全部最高だよ。

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