太陽の当たる場所 9

4U 10 ページ13

いいんだ。

私が男の子と出掛けても。
ご飯食べてきても。

帰りが遅くなっても
ニカは構わないんだ。



私は北山さんのマネージャーさんと
ニカがご飯食べてたら嫌だな、って思う。



でもニカに妬かないのは
ニカが私を信じてくれてるからかもしれない。

だとしたら妬いちゃう自分が
小さいなって思う。



けれどニカが北山さんのマネージャーさんを
好きにならない保障なんてどこにもないし。



小さい事が気になる自分も
ニカの事を信じられない自分も
どっちも嫌だった。



だからベッドでニカにギューって抱きつくと

「ん？なに？」

ニカの方が眠くて寝る前だから塩対応。



無言で抱きつく私に

「Aはお休みだけどこっちは仕事なんだからね？」

私の頭をポンポンしながらニカが言う。



…だよね。



だから

「…おやすみ」

ニカから離れようとすると

「1分だけね」

ニカがギューって抱き返してくれる。



足りないよ。
1分だけじゃ嫌だよ。

言いたいけどニカは明日仕事なんだから。



でも1分とか言いながら少し長めに抱きつかせてくれた優しいニカは

「ん」

手だけは繋いでくれてそのまま目を閉じてすぐに寝息を立てた。



ニカの整った顔を眺めてたら
あー、やっぱりニカが好きだなー、なんて思って。

私もそのまま目を閉じた。



無事に取引が続いた事と
ニカとイチャイチャした事と
ニカが買ってくれたお酒を飲みすぎた事の全てが重なって。

よく眠ってたのか起きたらニカが居なかった。



…行ってらっしゃいくらい、言いたかったな。



シャワーを浴びて
ニカのシャツを着てみると彼シャツ並に大きくて。

でもちゃんとキスマークは隠れた。



ニカの香りがする服を着て
何だかテンションがものすごく上がる。



祐介君と充君との待ち合わせ場所に行くと
2人は既に待ってて
私に気づくと大きく手を振ってくる。



「久しぶりーっ！」

「久しぶりーっ！」「先週ぶりーっ！」



5年ぶりくらいで会う充君と
先週ぶりの祐介君。

昔の思い出がバーッと蘇って
ものすごく懐かしくて。



今日の目的地に決まった東京ドームシティに向かいながら3人とも話が尽きない。

「つーかAちゃん！彼氏出来たの？今度は大丈夫？」

充君が言う。



「今度は、って失礼な」

「だって心配だよー！Aちゃんチョロいもん」

「失礼すぎっ！」



3人で笑い合う。

何もかもが楽しすぎて。



ニカと北山さんのマネージャーの事を
忘れてはしゃげていた。

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