秋の国 ページ3
『めっちゃ涼しいんだけど、この国。』
旅を始めてすぐ来たこの国は「秋の国」というらしい。
涼しいし綺麗だし…結構好きだ。
『さーて、紅葉狩りにでも行こうかな。』
そう言いながら外に出る。
…そういやヴェンがいねぇな。
時々消えるんだよなぁ、アイツ。
「お兄さん、旅人かい?」
杖を突いたお婆さんがそう声をかけてくる。
…まぁ服装とか違うし分かるよな。
『おう。お婆さんは昔からこの国に?』
「ああそうだよ。
この国には5年に1度国内1番の美女を決める祭りがあってね。
その祭りで選ばれた美女は紅葉姫と呼ばれるんだ。
ワシは7代目紅葉姫なんだよ。」
『へぇ、じゃあお婆さん中々の美女だったんだな。』
「自分で言うのも何だが、そこそこの美女だった。」
お婆さんすげぇ。
にしても美女か…カナもかなりの美女だよな。
美女っていうか…美少女?
「もしよかったら、明日その祭りがあるから見て行ったらどうだい?」
『マジか。じゃあその結果見るまでは残ってくよ。』
「その後のニエオサメまで見て行くといい。」
…ニエオサメ?
よく分かんねぇけど、折角だから見て行くか。
「じゃあまた明日、紅葉祭りで会おうね。」
『紅葉祭りって言うんだな。分かった、また明日。』
それだけ話して別れる。
…祭りなんて一体いつぶりだろうな。
『…ってかヴェン…マジでどこ行ったんだよ。』
仕方ねぇなぁ…しっかり探しに行ってやるか。
『全く…世話かけやがって。オレにはお前しかいねぇってのによ…。』
ぶつぶつ言いながら探す。
…ヴェン以外、オレにはいねぇんだ。
『あ、いた。ヴェン!』
やっと見つけたヴェンに声をかける。
…ヴェンの近くには、見たことのない男がいた。
*
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